2014年05月25日

ミキシングの話のつづき

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 今日は天気よく晴れていましたが、最近にしては、面白い雲が多かったので、少し写真をとりました。 こんなことを書いても、このブログを、今日初めて読んだ方がいらっしゃったら、なんのコッチャ、、、? と思われるかもしれませんが、、、、(^_^;)、。

 いつも載せている影の写真、これは、光がモノにあたって、あたっていないところと、あたっているところのコントラストが、影になり、それを写しているということになるわけですが、結局写真と言うものは、光を撮っているのだと思います。 いろいろな色、これはモノに光があたって、反射する光の色なわけです。光が少ししかあたっていない場所が黒っぽく見えて、たくさんあたっているところは、もう少し明るい色に、、、。 

 一昨日から書いているミキシングの話しに戻すと、録音というものは、光の場合と同じ様な書き方をすれば、空気の振動を音として記録しているという事なんだと思います。

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 各楽器の音を、あとで扱い易く、音質を調整しやすく録るという為には、各々の楽器の音、空気の振動が他の楽器の影響を受けない様に、別々の部屋に入れて録るというのが、基本的な、マルチトラックの録音の仕方なんですが、これをするには、演奏者どうしが、お互いの音を聴くために、ヘッドフォンのモニターが必要になりますし、そのために、聴き易いバランスをつくって、演奏者に音を供給する、ということが、録音作業のひとつとして大切な、いわゆる、モニターバランスの調整ということになるのだと思います。

 モニターバランスの善し悪しが、演奏者の気分を左右しますし、バランスだけでなく、普段自分が演奏している楽器の音が、自分の好きな音で、ヘッドフォンから聞こえてくる、ということが、演奏している人にはとても重要なことになります。

 録音に凄くなれているミュージシャンならそうでもないのですが、不慣れの人の場合、モニターの音が気にいらないと、リラックスできず、いつもどおりの演奏ができないことが、しばしばあります。

 これは、ライヴの演奏とちがって、長い間記録に残る、音源を録音する場合、、、「音に馴染めない」 →「 思うとおりの演奏ができない」 → 「本意でない演奏が、記録されてしまう」 → 「それが嫌で、緊張し、いつもの調子がでない、、、」。 という悲観主義の連鎖が、最悪の場合起こってしまいます。

 「いつもどおり、当たり前の事を、、、これが、こんなに難しいのか、、、?」 という状態に、演奏者が、ならない様に最大限努力する、、ということが、エンジニアのとても大切な仕事の一つだと思うのです。

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2014年05月24日

ミキシングの話

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 昨日のつづきで、アルバムのミキシングについて書きたいと思います。、、、(^_^;) 。

 各楽器を何人かのプレーヤーが同時に演奏しながら、ばらばらに録音して、あとでミキシングと言う作業で各チャンネルの楽器をまとめるという、現代では当たり前になった作業ですが、なぜわざわざ別々に録音するのか、、?。

 バンドが同時に演奏しているのなら、それをそのまま、ばらばらではなく、録音すれば良い、ということも言えますよね、、、。 ばらばらに録らなければ、あとでまとめる作業もいらないし、作業は一回で済みます。

 たとえば、バンドだけ録って、あとでボーカルを録音する、とか、別の場所にいるメンバーの楽器のソロを、後からオーバーダブして(重ねて)録音する、などの作業があれば、当然別々に各楽器を録音する意味がありますが、同時に、セーの、で演奏するにもかかわらず、それを別々のチャンネルに録音するということは、それにはそれなりの意味というか、メリットが有るからなんですよネ、、、( ´ ▽ ` )ノ。

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 というか、つまり、ばらばらに録って、後でミキシングと言う作業をして、一斉に録った場合より、最終的に良い結果(良い仕上がり)になる、、という事を目指して、ばらばら、、、つまり、マルチトラックで録音するということになるわけなんだと思うんです、、、、(^_^;) 。

  でも良い結果にするというのは、ミキシングするエンジニアが、ちゃんとした、その作業をできるか、どうか、ということも重要ですが、その前に、ばらばらに録られた各楽器が、ちゃんとバラバラにきれいに録られているのか、、ということが、とても大事な要素になるんですよ、、、。

 最初のいわゆる、素材録りと、その後のミキシングが、別の時間に行われるということは、場合に依っては、それぞれの作業を別々の場所、しかも別の人間がやる、、、ということもあり得るわけです。 録音だけする録音エンジニアと、ミキシングをずるエンジニアが別場合もあります。

 もちろん、その両方を一人の技術者が兼ねているということもあるわけですが、とにかくその二つの作業は別の作業なわけです。

 もちろん録音の現場では、各楽器をばらばらに録音、つまり別々のチャンネルに録音しながら、それらをミキシングコンソール(ミキサー)という機器をつかってまとめあげ、演奏者が、聴き易い、つまり演奏し易いバランスをつくって、演奏しているミュージシャンがつけている、ヘッドフォンに音楽をおくらなければならない、、、、ということも、録音エンジニアの大切な役目です。
 
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 なんだかややこしい話しを書いていますが、これ見ている人、面白がってくれるんでしょうか、、、?、こんなお宅なはなしですが、、、 (;´_ゝ`) 、、、、。  明日も続きま〜す。

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2014年03月13日

パワードモニターのすすめ 3 

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 いつの間にか、もう3日目になってしまった、「エンジニアの独り言」、「パワードモニターのすすめ」 ですが、もし本当に独り言だとすると、病的に長い独り言です、、ネ (^^ゞ。

 昨日書いた通り、いろいろな大人の事情で、オーディオショップではほとんど売っていない、アンプ内蔵スピーカー。 製品が開発され製造されているわけですから、当然行くところに行けば、置いてあります。

 これは、今書いている、スピーカーとは少しキャラクターが違うのですが、アンプ内蔵ということで言えば、パソコン用の小さい、卓上用のパワードスピーカーは、パソコン売り場に行けば、多少は置いてありますよね、、。でもほとんどのモノは、音楽を聴くには、あまりににも、貧弱です。最近は見なくなりましたが、JBLの名前をライセンス料を払って造ってっていたと思われる、サブウーハーつきのパワードモニターシステムは、なかなかヒドい音でした。

 ではどこに行けば、音の良い、パワード_モニター・スピーカーがあるのでしょう。 それは、、、主に、楽器屋さんとか、DTMとか、音源制作用の様々な機材を扱っている、販売店にあります。 大都市には、30機種近くのパワーワード・モニターをそろえて、試聴できるお店もあります。

 いわゆる、打ち込みとか、シンセサイザーや、コピューターとかを使って音楽を制作する時に使う道具たち、、。 一昔前は、プロとアマチュアの中間というか、音質的には、若干貧弱なものが多かった市場ですが、現在の慢性化した不況から、低予算化した音楽制作現場がふえるにつれ、省スペース、低価格、だけど高性能という機材が、たくさん登場して、しのぎを削っています。
 
 都会のマンションの一室や、自宅で、音楽の制作を行い、曲造りや、アレンジだけでなく、最終的な音源の音質の調整までも、机の上ので行う環境の現場が、一般の人の目にはふれること無く、増殖しているのが、低価格機材の高音質化の理由です。 

 すべての、パワード・モニターが素晴らしい音質、、、というわけではありませんが、そうですね、ステレオで左右2本購入しても、10万円をきるもののなかにも、素晴らしい音質のものがいくつかあります。 
 
 見かけは、ミニコンポや、昔の小さめのいわゆるブックシェルフ型スピーカーのような大きさや、形ですが、低音の出方、迫力、きめ細かさ、定位など、業務用のクオリティーをしっかり持ったパワード・モニター・スピーカー・システムが確かに存在しています。

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 つまり、先日書いた、PC オーディオのシステムの中に、これを組み込めば、省スペース、低価格でありながら、それなりに質の高い、音楽鑑賞用オーディオ・セットを組むことができます。 いわゆる、普通のオーディオ用のスピーカーでは、1本10万くらい出しても、それほど良いものはありませんし、それにアンプの金額をいれるとかなりの値段になる上、アンプとの相性を考えると、ますます組み合わせは難しいでしょう、、、。

 実は、PC オーディオの話しを書き始めた時から、このことを、皆さんにお伝えしたかったんです。 良い音で音楽を聴きたいけど、予算や、スペースが無い、、、。 こういう悩みを解決に導いて行けるかもしれない可能性が、このシステムの考え方には、あります。
 
 いわゆる、オーディオ・ショップなど、販売店は、少しでも、高額の機器を購入させようとしますし、できれば、不完全なシステムでそろえさせて、延々と機器を買い替えさせて、儲ける、、、という商法を当たり前の様に繰り返してします。 

 これを読んでいらっしゃる方々の中にも、そのようにして、随分お金を使った方がいらっしゃるかもしれません 、、(ーー;) 。

 余分なお金を機器にかけず、そのお金をもっと有意義に使う、そうすれば、音楽ソフトももう少し売れるようになる、、、という、ささやかな願いを、私は持っています。 当たり前の話しですが、オーディオ機器は、音楽を楽しむ為にあるんですから、、。

 限られた人生の時間を有意義に、ということを考えても、音楽は、大切、、という考え方をお持ちの方は、トライしてみて下さい。

 確かに、いろいろな機器をとっかえひっかえして、お金と時間をたくさん使っている方もいらっしゃいますが、そういう方は、それが好きなんでしょうから、一生やってて下さい、、。 私は、おすすめしませんヨ、、。

 オーディオメーカーや、ショップから、刺客がくる、、、かも、、( ̄□ ̄;)ですね、、。

 この話題、やっと完結できました、、、 ( ^ ^ )/ 。


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2014年03月12日

パワードモニターのすすめ 2

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 今日は、北部九州地方、とても暖かくなり、日が落ちてからも、天気はくずれましたが、暖かさはつづいています。

 きのうは、パワードモニタースピーカーについて、どういうものか、ということや、そのメリットについて書きました。

 実を言うとパワードスピーカーというか、アンプ内蔵のスピーカーというのは、昔から在ったんですよね、、。つまり、昔のラジオとか、ラジカセとかは、言ってみれば、アンプ内蔵スピーカーみたいなもの、、、。 

 つまり、カセットとか、ラジオとか、オーディオ・セットでいうところのチューナーとかデッキ(この言葉ほとんど死語ですが)にアンプとスピーカーがくっついている。でもこれは、あくまで、持ち運びをかんがえての一体型だったわけで、、結果として、専用アンプと専用スピーカー、スピーカーのボックスも本体兼用なわけで、ラジオの半導体やアンプのいろいろな部品がある横に、スピーカーも狭い箱の中に、ほとんど無理矢理に押し込められていましたし、本来スピーカーボックスに入っている様な吸音材もなく、スピーカーの後ろから出る音は、箱のうしろから、簡単に漏れていました。

 コレとは少し違う形が、今でもよく使われている、ミニコンポみたいなもの、、。スピーカーとアンプは別の箱に入っていますが、セットで売られていて、アンプとスピーカーはつがいみたいなもの、、。でもこれは、比較的安い値段ですので、質はそこそこではありますが、、、(^_^;) 。

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 これの正反対の、今あるパワード・モニターに限りなく近いものも、大昔にあったんです。 それは、アルティックや、JBLなどの、劇場用のスピーカーです。これは大きな映画館や、劇場の拡声(この言葉も死語に近いですが)用のスピーカーで、大きなスピーカーユニットが、大きな箱に入っており、その片隅に、専用のアンプが、組み込まれていました。
 日本でも、国産メーカーが、放送局に納品していたシステムでそういうものがありましたが、あれは海外のものを習って造ったのだとおもいます。

 私がここで、皆さんにすすめたいと思っているパワード・モニター.・スピーカーは、そのような大きなものではなく、家庭用の小さなものです。 

 でもこれはあまり、普通の電気屋さんや、オーディオ・ショップには打っていないんです、、、。

 なぜかというと、多くのオーディオメーカーが、CDプレーヤーと一緒に、アンプやスピーカーなどの他の機器も造っているんですよね。だから、アンプ内蔵の性能の良い製品を造って販売してしまうと、普通のスピーカーや、アンプが売れなくなってしまうというのが、その理由ではないかと思います。 ではその手のスピーカーはどこに売っているのでしょうか、、?。

 今日で完結させるはずの話し、、だったのですが、明日まで、続いてしまいます、、、(´Д` ) 。

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2014年03月11日

パワードモニターのすすめ。

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 きのうまでの、 PC オーディオの話しは、本来は、日記ではなく、「エンジニアの独り言」のカテゴリーで書く様な話しでしたが、唐突に書き出してしまって、そのあたりのことを、あまり深く考えていませんでしたので、今日の話題は、「エンジニアの独り言」のブログのカテゴリーの話しとして書きたいと思います。

 ところで、皆さん、パワードモニターって、ご存知ですか、、?。 ここで書く、モニターというのは、モニター.スピーカーのこと、、。パワードというのは、アンプ内蔵、つまり、パワーアンプがスピーカーのボックスの中に装備されているものです。

 きのうまで書いていた、オーディオの話しでは、CDプレーヤーとスピーカーの間には、必ずアンプがあります、というか、必要ですよね、、、?。 CDプレーヤーから出た、信号を、線でつないで、アンプに送り、そこで、増幅して、スピーカーをならす、、というのが、通常のシステムです。 

 この場合、アンプというのは、いわゆるプリメインアンプといわれる、ものと、プリメとインという二つの仕事をするアンプを別々にわけて、つなげる、セパレート・アンプ、これは、コントロールアンプ(CDプレーヤーやチューナー、テープデッキなどをつなぐアンプ)もしくはプリアンプとよばれるものと、パワーアンプ、つまり増幅専門のスピーカーに直接つなぐアンプの二つがあるわけです。 コンサートのPAなど、施設音響の場合、プリアンプのかわりに、ミキサーがあり、それにパワーアンプをつなぎ、音を出しています。

 何を説明しようとしているかというと、パワードモニタースピーカーの場合、スピーカーの入っている左右の箱の中に、本来は別々になっているアンプ(パワーアンプ)が左右別々のスピーカの箱に一つづつ入っているというわけなんです。 でも、なんで、わざわざスピーカーの中に、アンプをいれるのでしょうか、、、?。

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 というか、通常は、アンプとスピーカーが別になっていることで、いろいろな、アンプとスピーカーの組み合わせを試せる、とか、メーカーの違う製品どうし、いろいろと取り替えて、システムが組める、ということで、別々になっているわけです。 アンプにも、一体型と、セパレートタイプがある様に、いろいろな選択肢がある、ということで、まあ、趣味の場合とくに、いろいろと楽しむ、組み合わせの妙みたいなことがあるわけです。

 これは非常に、一見有意義に感じられるのかもしれませんが、別の角度から見ると、A社のスピーカーはいろいろなメーカーのアンプで鳴らされることを考えて、製品を設計しなければなりませんし、B社のアンプは、いろいろなメーカーのスピーカを上手にならせる様につくる必要があるわけです。 

 中には、アンプしか作っていないメーカーや、スピーカーの専門メーカーもあって、販売された製品が、どんな組み合わせで使われるか、というほぼ無限の組み合わせを意識して、ある程度製品を企画、制作しなければならないんですね、現実には。 これは実はとても大変なことなわけです。 当然、B社のスピーカーとC社のアンプは相性が悪いみたいなことも起こってきます。でも、あらかじめ、メーカーが、何々社のアンプとは組み合わせないで下さいとか、ウチのアンプは、D社のスピーカー専用です、みたいなことを言うわけにはいきませんよね、、。

 その辺のことを考えると、パワードモニターはアンプ内蔵なので、スピーカーとアンプは、一組、つまり、アンプの設計は、同じ箱に入っているスピーカーだけが良く鳴る様につくれば良いわけですし、スピーカーもそのアンプで鳴らされることを前提にして、設計すればよいわけです。 

 この辺りのメリットについて、明日は書きます。 明日の内容が、この文章の肝です。

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2014年03月08日

音楽の聞こえ方(昨日のブログ)

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 いろいろな音質、いろいろな音楽、私の様なその分野に関わる人間にとって、細かい音質は、音楽の内容と同じ様な価値をもっているものなのですが、普通の音楽ファンというものは、音質を過度には気にしていませんし、どんな音でも良い、、、ということはなくても、音楽の内容が好きであれば、それほど音の質を気にしてはいないと思います。

 音楽ソフトを聞く人は楽器の音がどのように録音されているか、とか、この音楽にはどのような音質がふさわしいか、、ということを考えて音楽をきいていません。

 ほとんどの場合、できあがった作品を素直に受け止めるだけ、ということになるわけですが、つくる側は、この音を聞いた人はどのように受け止めるだろうか、とか、この楽器の音はどのように録音すれば、演奏家が出そうとしている音として、聴衆に伝わるか、ということを考えて、録音作業や、ミキシングをしています。

 たとえば、同じ楽器編成で何曲か録音した場合、全ての曲を必ずしも同じ音質に設定してミキシング作業を仕上げるとは限りません。音楽の内容、曲の長さ、などに応じて、ただバランスをとるだけではなく、細かな音質を調整するということがあります。

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 ここはもう少し明るい音質がよいのでは、この曲のこの場所のあたりでは、この楽器の音は大きめの方が良いのでは、、、など、細かな音質や、音量のバランスを整えるのですが、この作業は、音楽の内容に直接関わる作業なので、もし、この作業の内容を誤れば、音楽の質や、演奏者の表現したい内容を正しく伝えることができないどころか、音楽を台無しにしてしまう可能性もあります。

 つまり、録音技術者というものは、機器の操作のエキスパートである以上に、音楽の内容、楽器そのものの音や、演奏家の表現しようとしている音楽について、深く理解していなければなりません。
 
 演奏者は音楽の演奏において、自分の演奏する楽器のプレイを真剣にしているわけですが、録音、ミキシング技術者は、それらの演奏者が出している音楽を最終的にどのような音楽として、聴衆にとどけるかという、とても重要な役割を担っています。

 まさに、音楽の聞こえ方、音楽作品の仕上がり、方向性、演奏者のメッセージを正しく、あるいはより良く伝えるという責任を背負って仕事をしているといえると思います。

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2014年03月07日

高音質録音の弊害、、? (昨日のブログ)

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 昨日は、録音されている音質を再現能力の高いシステムで聞くと、大方のオーディオセットで聞くのとはちがう、音の表情になり、必ずしも、音楽的に好ましく聞こえるとは限らない、という話しを書きました。 敏感な再生装置で聞くと,埋もれていた雑音や、録音した環境の悪さからくる、音のアラが、露呈してしまい、音楽を楽しむ事とは少しちがうことになってしまう事があります。

 今日は、少し話しの目先をかえて、最新の技術を使った録音の音源を聞く時に感じることについて書いてみます。 

 アナログ録音から、デジタルに録音方法がかわって、いろいろデジタルへの批判と言うか、アナログ録音に比べ、いろいろ足りないところが論じられたりしながらも、少しづつデジタルの録音も改良され,音質が改善されてきて、今までにないいろいろな新しいデジタルでの録音方法なども出てきました。
 そのなかで、現在のところ、一番新しい方式であるDSD方式、ダイレク・トストリーム・デジタルによる録音方法が一部の制作現場で、使われる様になってきました。
 ここでは、その細かい技術の話しは、これまでにも書いてきましたので、説明は避けますが、このDSD方式による録音の音質上の特徴と言えば、圧倒的な臨場感、というか、空気感のようなものの再現というのが、最大の特徴になると思います。

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 DSD方式は、それまでのデジタル規格であるPCM方式の欠点を、払拭するべく開発された規格なので、膨大なデータ量と速度の速いプロセッサーの働きによって、今までと比べ、次元の違う表現力をもっています。 ところが、この表現力が、演奏者の出す、楽音(楽器が出す音)以外の音も、実に克明に記録してしまうので、例えば、演奏者がする呼吸の音なども、とても大きな音として、楽音並みにひろってしまうことがあります。 

 良い意味で、鈍感なところもあった、アナログ録音に比べ、とにかくその場に鳴っている音全てを、膨大な記号に変換する優れた機能で、音色や空気感、ホールなどの響きのキャラクターも含めた、あたかも、その場にいるような臨場感を再現するスペックをもった、DSDのシステムは、たとえ演奏者が出していても、楽器の音と直接関係ない、雑音、などの音も、物凄くリアルに記録してしまいます。

 別の言い方をすれば、マイクロフォンや、マイクアンプなどは、従来のものをそのまま使っているので、それらの性能が素晴らしいということも言えるとは思うのですが、行ってみれば、見えすぎる,音場、広過ぎる周波数特性というものが、現場で実演を聴く以上の、行き過ぎたリアリティーを感じる録音と成ってしまうことがあります。

 過ぎたるは及ばざるがごとしということわざがありますが、DSDの開発自体を、採算を理由に、メーカーがもう止めているので、今後の改良も恐らくされないという現状ですので、いろいろ難しいところがあります。 ちょっと話しが難しすぎますね,、コレ、、。 一応、「エンジニアの独り言」というカテゴリーなので、許して下さい ^_^; 。


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2014年03月05日

記憶の中の音楽、音質についても、、。

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 昨日は、以前聞いた音楽が、時間を経て再び聞くと,印象がちがう、、、ということについて書きましたが、きょうはそれに関連して、音質の話し。
 
 いろいろな音源があって、いろいろな録音状態で、残されているわけですが、その音源を聴く環境によっても、いろいろ違った聞こえ方をすることがあります。 この仕事(録音エンジニア)をする様になって、昔聴いた様々な音源を仕事用のシステムで、改めて聴いてみたことがありました。

 仕事用のシステムというのは,いわゆるモニターシステム、つまり、早い話しが、音質のあらが見える環境をわざとつくってあるんです。もちろん、一般の人達が音楽を聴く環境にちかいものでも、音質をチェックするのですが、いわゆる、録音、ミキシングなどをする時にシビアに音をチェックするシステムで音楽をきくと、意外なことがいろいろわかることがあります。

 これは正しい音源の聞き方ではないのかもしれませんが、普通の環境ではない、ある意味神経質な装置で聴くと、録音の善し悪しとともに、演奏者の出すいろいろな音が図らずも,丸裸になって聞こえてしまうことがあります。

 たとえば、私がいつも書いている、ギドン・クレーメルのCDで、ベートーベンのバイオリン協奏曲をマリナー指揮のアカデミー室内管弦楽団と演奏したもの、、。 
 クレーメルにとって、 2枚目のこのコンチェルトの録音になるのですが、一部で有名な作曲家、シュニトケの作になる、カデンツアを演奏している録音なのですが、第1楽章から、2楽章の途中まで、ビイーという電源関係から来ていると思われるノイズが、ずっと出ています。 これは普通のシステムではわからないのですが、私のモニター用のシステムできくと、ある程度の音量で聞くと、かなり大きな音で入って聞こえます。 

 
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 録音中途中でスタッフが気付いたのかどうかわからないのですが、あるところで急にノイズなくなりますが、厳しいことを言えば、よくあれだけ大きなノイズが入った音源を、製品化したものだな、、とちょっと思います。 

 ノイズと言うわけではないのですが、有名なソニー・ロリンズのアメリカのジャズ・クラブ、ヴィレッジ・ヴァンガードで録音した、テナー、べース、ドラムのサックストリオで録音したアルバムは、演奏はもうほとんど神懸かりと言っても良いほどの出来上がりなのですが、安いマイクと録音機(テープレコーダー)で録音したものなのでしょう、モニター用のシビアなシステムで聞くと、かなりお粗末な音質で、ビックリします。 

 以前ある雑誌で、あるレコーディング・エンジニアが音質を酷評していて、「そんなにヒドいかな、、」とそれを読んで思ったことがありますが、シビアなシステムで聞いてみて、演奏の良さが台無しになるほどの安っぽい音源で、かなりビックリしました。
 多分一般のファンの人が録音していたものを、あまりにも演奏が素晴らしかったので、音質の悪さには目をつぶって、商品化したものなのでしょう、意地の悪い聞き方なのかも知れませんが、あれ以来、すっかりあのアルバムに変な印象がついてしまいました。

 今日書いたことは、できれば知りたく無かった、、という事ですが、より良い音楽作品を制作するために音質を追求するのであれば、知っていて損はないことなのかもしれません (´Д` ) 、、ネ。

 今日はノイズとか、音質そのものの話しになってしまいましたが、明日は、演奏者が出している音についても書いてみたいとおもいます。

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2013年12月21日

続々ヘッドフォンのたのしみ ?

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 ヘッドフォンの話が続いていますが、本来ヘッドフォンというものは、スピーカーで音を出せない環境で、音楽を聴く簡易的手段だったはずなんですが、いまの時代、ほとんどの場合、ヘッドフォン以外で音楽を聴いている、、、という人は、意外に少ないのかもしれないのでは、、と思います。
 毎日の忙しい生活の合間に、通勤の電車や、バスの中、仕事の休憩中のほんの一時に、、、夜遅く家に帰ったら、マンションやアパートでは、よっぽど頑丈なつくりで無いかぎり、隣近所を気にしなければならないでしょうし、身内の隣の部屋にいる同居人を、全く意識しないで、音楽を心置きなく、オーディオのスピーカーから聴ける人というのは、あまりいないのかもしれません。

 逆に考えれば、そのような都会の環境の中、生活している人でも、ヘッドフォンを使う事で、音楽をある程度自由に聴く事ができる、ということなのだと思います。

 その一方で、昨日のブログに書いたとおり、良い音のヘッドフォン(バランスの良い)が以外にも少ない、、と私は感じています。いわゆる、コンポというか、机の上に乗るくらいのアンプとCDプレーヤーなどとスピーカーの組み合わせのオーディオシステムは、以前に比べてかなり低価格のものでも、問題ない音の製品がおおいのですが、、。

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 家電店にはたくさんのヘッドフォンがおいてあり、なかには i pod などをもってゆけば、自由に試聴できるところもあり、いろいろためしてみたのですが、私のいままで試聴したものの多くは価格の高いものでも、それ程良いと思ったものはありませんでした。

 もしや、オーディオプレーヤーの方に問題があるのでは、、、と思い、仕事で使っているモニター用のヘッドフォンをつないでみましたが、音量はそれほど大きくはありませんが、音質的には問題はありませんでした。確かにイヤーイン型のボディーが小さい機種はいろいろ構造上難しい部分があるのですが、、多くの機種でもう少し何とかならないのか、、(-_-;) と思いました。

 私は、録音技術者として、つねにいろいろな環境でCDを聴いている人達が、どのような音質で音楽をきいているのか、、、という事を意識して仕事をしていますし、できるだけ、いろいろな環境で、同じ様な音質で、、また音楽的に音質の影響で音楽が違ってきこえないように、ということに注意して作業していますが、さまざまな、ヘッドフォンの音質をきくにつけ、悩みは深まります。

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 はなしは少しかわりますが、オーディオプレーヤーで音楽を聴いている人のほとんどが、mp.3などの圧縮フォーマットで、音楽を入れ込んでいます。音楽ファイルのサイズが小さくなるので、より多くの曲を入れ込む事ができる一方で、音質は少し犠牲になっています。

 コレに関しても、私はそれぞれの再生環境に応じた音質の変化を予測したり、実際に圧縮してみて、試聴をしています。再生フォーマットの違いは、圧縮率の違いにもよりますが、ヘッドフォンの違いに依る変化よりも、はるかに少ない気がします。機会があれば、ヘッドフォンの制作者の方とお話してみたい気がします、、ネ。

 なんか、今日はえらい真面目な話になってしまいました。、、なので、これはいつもの日記というカテゴリーではなく、「エンジニアの独り言」のカテゴリーに入れておきましょう,,,ネ (^_^;) 。

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2013年07月04日

久しぶりにライヴをききました

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 先日久しぶりにライヴをきいてきました。場所は神奈川県の横浜で、JRの関内駅の近くの馬車道通りにある「エアジン」というお店です。このお店はCMS主宰の細川もお世話になっているお店です。

 聴いてきたのは、土村和史(wb)Quartet 。カルテットと書くと、スゴくジャズ的な感じがしますが、音楽の内容はジャズというより、民族音楽的な範疇に入る音楽と言って良いでしょう。
 このお店は、1969年に、いわゆるジャズ喫茶として東京の新宿で創業されたそうですが、その後、1972年に横浜に移り、ライヴの店として生まれ変わり運営されているようです。
 お店のマスターはもともとの創業者が、お姉さんの 旦那さんだった関係で、その方が亡くなってから、後を引き継いで経営されている様です。マスターの梅本さんは、音楽大学を出てから、元々はヨーロッパで 、トランペット奏者として、オーケストラの主席奏者を務めていた方で、クラシックや現代音楽の世界で活動されていた方です。    

 そのせいか、ここではジャズのお店としてはめずらしく、フリーインプロヴィゼーションや、舞踏などのパフォーマンスやったり、ジャズといっても、エンターテイメント的なものより、純音楽(古い表現ですが、、)というか、より芸術的な分野のクリエイティヴな音楽を演奏する場所として、独自の文化を発信しています。 エアジン web http://yokohama-jazz.jugem.jp

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 よくあるライヴハウスの形態として、食事ができて、レストランバー的な営業をしているところがほとんどですが、ここの場合、厨房などはなく、飲み物中心のメニューで、客席はコンサートホールの様に椅子もテーブルもステージに向かって配置されています。つまり、お客さんは、飲んだり食べたりを楽しみながら音楽を聴くのではなく、舞台にむかって真剣に立ち向かうスタイルで、そこでは演奏者と観客の緊張感あふれるコミュニケーションが成立しています。

 当日演奏していたグループのことは、あまりくわしくは知らないのですが、とても面白い演奏をしていました。ダブルべースとバイオリン、ギターはエレキと、ガット(クラシック)ギター、パーカッションは主にダラブッカやレクなどの、アラブの打楽器を演奏していて、オリジナルの楽曲がレパートリーの多くを占めていました。
 
 変幻自在なリズムと豊かなメロディーと音色は、聞いていていろいろなイマジネーションを刺激される演奏でしたし、即興演奏=アドリヴがあるものの、変拍子を中心にした、いわゆるエスニックなスタイルの音楽でありながら、とてもオリジナルなエキサイティングな音楽で、幅広いジャンルの音楽が演奏されているエアジンですが、このバンドは、さすがマスターの梅本さんのお眼鏡に叶っただけのことはある、素晴らしいグループでした。

演奏メンバー 土村和史(wb)森川拓哉(vln )福島久雄(g) 立岩潤三(per)   

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2013年05月31日

録音機材の移り変わりと、音楽 6 。

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 録音機材の移り変わりと音楽について、5日にわたって書いてきましたが、テクノロジーの進歩によって、やがてテープレコーダーはアナログからデジタルへ、そして、ついにテープレコーダーの時代から、ハードディスクなど、コンピューターやいわゆる、非接触メディアを使った録音へと、時代は変化してゆきました。

 「非接触メディア」というのは、具体的にどういうモノなのかと説明すると、アナログのレコードプレーヤーやテープレコーダーは、レコード盤や録音テープなどに、レコード針や、ヘッド(テープに磁気を記録する部分)を直接接触させて、書き込みや読み出しを行う方法をとっています。つまりテープレコーダーは常に読み取りのために、テープとヘッドがくっついていて、少しづつですが、どんどんテープにコーティングされている磁性体がこすれて、傷つき、削れています。したがって当然ある程度使うと、削れた分、音質が変わってしまいます。最悪の場合はダメージをうけたテープが切れてしまうということもあったわけです。レコード盤も同じ様に何回も聞くと、だんだんパチパチという雑音が増えてきます。

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 これらの記憶媒体の摩耗による音質悪化を防ぐ為に考えられたのが、CDやMD、ハードディスクなのです。これらは、データの書き込みや読み取りをする為に、メディアに何かを接触させる事をせず、非常に接近した距離ながら、一切触れることなく可動させることによって、媒体の削れ=摩耗による経年変化をゼロにした画期的なものでした。これにより、機械部分が機構的にも物理的にも負荷がかかりにく、メインテナンスの必要もほとんどなくなりました。これは音声の記録をアナログ方式から記号に変換するデジタル方式にかえる事により実現したわけです。

 エンジンやモーターなどは、未だに常に摩耗との戦いであるのに対して、録音の分野では「非接触メディア」が、「すりへらない媒体」として、長年の人類の夢を実現したわけです(ビデオなど映像の分野ではまだテープ媒体が使われていますが、、)。

 これらの素晴らしい新しいメディアの開発は目を見張る物がありますが、問題点がないわけではありません。

 未だにアナログレコードを愛聴し、最新のテクノロジーを使って作られた音楽より、一昔、いや何十年も前の音源の方が音楽的で音質的にも癒されるとして、それを繰り返しきいている音楽愛好家がたくさんいます。

 これまでの歴史を振り返ってみて、信じられない程の画期的なテクノロジーを持ってしても、「良い音楽を作り上げると言う事は、並大抵の事ではない、、」という事を、制作者側に立って、改めて痛感する今日この頃ではあります。

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2013年05月30日

録音機材の移り変わりと、音楽 5 。

 
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 現代の音源制作現場において、マルチトラックの多重録音が一般的に行われているという事について、ここ数日書いてきました。それらのほとんどの現場では、あらかじめ出来上がりを想定して、というかマルチトラックで録音しないでも聞く事のできる、音楽、つまり普通にセーので同時に演奏、録音するのが基本で、それらの内容や音質を精査する目的で多重録音という作業を行ってきました。

 多重録音がだんだんと一般化する一方で、音楽の成り立ち、作り方が、最初から多重録音を前提としている音楽も登場してきました。それは昨日、映像の世界で、台詞や、効果音、BGMを、複数のチャンネルに配置して、オートミキシングを使い、音響を構築していく作業を説明しましたが、音楽だけを制作するプロジェクトでも、そのようにハイテクを積極的に使ってゆく手法をとる音楽家やプロデューサーがでてきました。
 代表的な例は、これはまだ、多重録音黎明期からの話ですが、ビートルズとそのプロデューサー、ジョージ・マーティンの音楽の作り方はテクノロジーを積極的に使った制作の典型的な例と言って良いでしょう。いわゆるバンド編成の音楽であったビートルズの音楽に、バンドでは使わない楽器や効果音を多重録音で合体させ、今までに無かった音楽をいろいろつくり出して行きました。

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 少し後の時代ですが、プログレッシブ・ロックと言われるジャンルのバンド、ピンクフロイドも多重録音を積極的に音源制作に利用した音楽家の代表格と言えるでしょう。彼らの場合、音楽の作り方自体が、多重録音を前提としたもので、スタジオで、様々な断片、楽器パートを録音し、それらを組み合わせたり、それらをもとに、他のパートを考えて、また録音し、その他さまざまな効果音を楽曲の中に挿入するという多重録音ならではの手法で、音楽をつくっていました。それらはとても実験色の強いモノでしたが、一般大衆の心もとらえ、大ヒットしたようです。
 
 その他に多重録音の極端な例として、マイク・オールドフィールドという人が居ます。この人は、自分で演奏した複数の楽器を、2000回以上も重ねて録音して音楽をつくっていました。この人も大衆的な人気を得て、商業的な成功も得ていて、本来は音楽の制作を補助する目的で開発された、多重録音という新しいテクノロジーそのものを使って、今までには存在しなかった手法で、全く新しい音楽を創り出したと言えるでしょう。 いままでに書いた音楽家達は、全てイギリスの音楽家達で、英国が、多重録音の先進国であったことが、この事からわかります。 
 これまで書いた様な、昔は無かった音楽を作る技術が、音楽そのものをも変化させ、今までの音楽では飽き足らない人達の心をとらえていった、という事実は、音楽と録音技術について考えるとき、私にとって、無視する事のできない重要な事柄です(^_^;) 。

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2013年05月29日

録音機材の移り変わりと、音楽 4 。

 
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 前回までは、マルチトラックによるレコーディングとミキシングについて書いてきました。いろいろな楽器を別々のチャンネルに録音して、その後にバランスや音質を調整して、最終的にステレオ(2チャンネル)にまとめてゆくという作業が、ほとんどの現代の録音現場でおこなわれているわけです。
 
 これは音楽の現場だけでなく、映画やテレビの制作の現場でも当たり前のように行われています。たとえば映画では、俳優達が劇中で話している台詞と、そのバックで流れているBGM、そのシーンに必要な効果音、それらは別々に録音され、別々のチャンネルに存在しています。主人公と相手役の二人がいれば、それぞれ別のトラックに台詞が録音されており、その背景に車が走っていて、そこに雨が降って来るシーンだとすると、車の走る音の効果音(2チャンネル)、雨の音(2チャンネル)、二人分の台詞(2チャンネル)BGM(ステレオの2チャンネル)これだけで、8チャンネルを使っているわけです。
 これらのチャンネルを場合によっては同時にミキサーのフェーダー(音量つまみのようなもの)をさわって、リアルタイムに動かさなくてはならないことがあります。8チャンネルですから、8個のつまみをさわって調整しなければなりませんが、人間には10本の指がありますが、手は2本しか生えていません。

 
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 どう考えてもそれほどたくさんのつまみを同時に調整することはできません。ここで使われるのが、オートミキシング機能です。映像をみながらそれと同期(リンクして動いている)している録音機を繰り返し動かして画面にあわせて、各チャンネルを動かしてゆきます。まず最初に登場人物の台詞の大体の音量を決めます。それに台詞が隠れない程度の音量でかぶせる音楽の音量を決めます。それから二つの効果音の音量を決めてゆくのですが、順番にさわったつまみの操作、手でさわった動作を機械に覚えさせてゆきます。
 覚えさせた動作を、ふたたび映像をプレイバックしながら音量をチェックしながら見て、大きすぎたところがあれば、修正しながらまた動かしていきます。昔は複数のつまみを動かすために普通に機械の前に何人かの人がいて、つまみを動かすと言う風景がありましたが、機械に覚えさせることができる様になって、繰り返しプレイバックをしながら、この作業を一人でもできる様になりました。
 現代ではコンピューターの画面を見ながら、マウスなどを使って作業をすることが多いですが、初期のオートミキシングでは実際に動かしたつまみが、プレイバックをする毎に人がさわらなくても動き、ちょっと、オカルト的な風景を見ることができました。

 これらのオートミックスができる様な音響機器は以前はとても高価なもので、小さなスタジオや、地方の現場では、なかなかお目にかかることはできませんでしたが、現代においては、技術の進歩で導入し易い価格になったので、いろいろな現場で使われる様になりました。

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2013年05月28日

録音機材の移り変わりと、音楽 3。

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 マルチトラックによる録音が一般化して、曲の内容や、演奏のちがいによる変化以外に、音質的な調整によって、音楽の聞こえ方を調整する音源のつくりかたをする様になって来たわけですが、それらの作業を具体的に説明してみたいと思います。

 複数の楽器を、同時にしろ、別々にしろ、それぞれ別のトラックに録音したあと、いわゆるミキシング作業という事をするのですが、その作業の一部をわかり易く書いてみると、例えば、歌と伴奏を別々に録音して、伴奏の各楽器を調整する意外に、ほぼ必ずする作業として、「リバーヴ」つまり、唄にエコーというか残響をつける作業があります。

 唄の音量や、音質を調整する一方で、カラオケのとき唄にかけるエコーのような残響をかけて、唄の魅力を引き出す、または、欠点を補うような事をやります。録音したヴォーカルを残響装置に送り、その装置を通ってきた、ボワンとした残響成分を、もともと残響をかけていない、「生」のヴォーカル素材をと混ぜて聞こえるようにします。
 このとき残響成分をあまり大きくしてしまうと、お風呂場で聞いている様な、不明瞭な音になりますし、少な過ぎると、潤いのない唄に聞こえてしまいます。この時点で、一つのチャンネルのヴォーカル素材に対して、通常残響音は2つのチャンネルを使いますので、唄だけで、3つのチャンネル(トラック)を使う事になります。

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かりにその他いろいろな楽器にも、同じ様な残響成分を付加した場合、たとえば通常2つのトラックを使うピアノの場合、残響成分のチャンネルを含めて、4チャンネルを使うことになります。ですから、唄とその残響、3トラック、ピアノとその残響成分あわせて、4トラックの3+4=7トラックを使う事になります。これは、唄と伴奏のピアノを、同じ部屋で、2つのマイクだけで録音した場合、2つのトラックしか使わないのに対して、その3倍以上のトラックをつかうということになります。

 これは昔の1チャンネルや2チャンネルしかないテープレコーダーではとてもできることではありません。いちどに7つのトラックの音量や音質を調整するのはとても手間がかかる作業ですが、それらの作業をいろいろなハイテクを使ってチャンとできた場合は、唄とピアノ伴奏が混じった状態で録音された場合とちがって、録音後にいろいろな調整ができるわけです。
 
 これは音質だけではなく、例えば音楽的に問題が無いパフォーマンスが記録できていたとしても、録音終了後に歌詞を変更したいということになったりした場合、唄だけを録り直すことで作業を終えることができます。トラックが少なく、伴奏と唄が一緒のチャンネルになって居る場合は、歌い手と、伴奏者それぞれを呼んで、録り直さなければなりません。
 これらの方法で、伴奏の全ての楽器をバラバラに録音してから、後処理をした場合、編成にもよりますが、多い場合は何十トラックものチャンネルを使用して、かなり煩雑な作業になりますが、その分いろいろな表現方法を選択、実験できるわけです。

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2013年05月27日

録音機材の移り変わりと、音楽 2 。

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 テープレコーダーへの録音がはじまってから、それに、どのような改良がされてきたかについて、書いてみたいと思います。

 最初は昨日かいたとおり、一つのチャンネルしかなかったのですが、それが2チャンネルになり、ステレオの収録ができる様になりました。
 その後、同時にしか録音できなかった2つのチャンネルが別々に録音できる様になり、たとえば片方のトラックに伴奏を録音し、それを聴きながら、もう一つのトラックに歌を録音するというようなことができる様になりました。それまで「せ−の」で一緒にしか録音することができなかったものが、ここで伴奏にあわせて何回も歌を、歌いなおして録り直せる様になったり、伴奏と歌を別々の日や場所でとりなおす、という様なことができる様になりました。

 その後どんどんトラック=チャンネルは増えてゆき、バンドの演奏を録るときに、べースとドラムを別のチャンネルに録音したり、ドラムの各楽器、例えば、スネアドラムと、シンバルを別のチャンネルに録ったりして、録音が一旦終了したあとに、チャンネルごとに音質や音量をコントロールすることができる様になりました。これは表現の幅を広げるという意味で、様々なことができる様になったという一方で、いろいろ調節できるという事はその分仕上げるために時間がかかる、ということにもなりました。

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 この様なマルチチャンネルの録音環境が整ってくるにつれ、録音の作業の中に、ミキシングという概念ができてきます。これは、各楽器をバラバラのトラックに入れることによって、バランスや音質を調節する作業を通じて、音楽を再構築する作業であり、ミキシングエンジニアが、ただの録音作業だけではなく、音楽の内容に深く関わることになるようになったということです。

 仮に演奏内容が良くても、各トラックのバランスや音質の調整を誤ると、全く別の音楽に聞こえてしまったり、音楽本来の魅力を損なうことになりかねないので、この段階で、エンジニアの責任範囲はとても広くなったと言えるでしょう。ここでエンジニアとプロデューサーという別の業種にとても深い関係性がでてきたと言えるでしょう。これが音楽の内容に深く関わるエンジニアプロデューサーの誕生です。

 どのような順番でどんな楽器をどれだけ重ねて録音するか、ということを最終的な音源の仕上がりを想定して、現場で指示を出してゆくことをして、作品の出来、不出来を左右する重要な役目を、音楽の演奏者や、作曲編曲をした人以外の人間が、その役目を司る様になってゆくようになったのです。この状況は、悪く言えば、演奏者の意向を無視して、その後の作業で、演奏が再構築され、良くも悪くも全く違うものになる可能性が出て来るので、それまでの音源や作品の作り方とは随分違う状況になったと言えるでしょう。

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2013年05月26日

録音機材の移り変わりと、音楽 。

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 昨日のブログで録音機材の事をチョット書きましたが、それらの事は、音楽を聴いている人達には直接関係ないことなのかもしれません、、。
 でもその環境は、録音機が発明されてから百数十年あまりの間に、本当に飛躍的に進歩してきたわけです。録音機ができるまでは、音楽はその場で演奏していなければ、絶対に聴けなかったわけですが、その事自体も現代においては、想像もつきませんよね、、。

 テープレコーダーが発明されてからも最初は一つのチャンネルしかなかったわけですし、ステレオに、つまり2つのチャンネルを使って録るようにやってからも、いろいろな発明がされてきたわけです。
 ジャズの世界では、1950年代末に録音された、誰でも知っているマイルス・デイヴィスの「Kind of Blue」ですら、まだわずかに3チャンネル、つまり3つのトラックしかなかったんです。どのように録音したのかと言うと、マイクはたくさん立てているわけですが、サックス2本と、ピアノ、べース、ドラムを現場でミキシングし、2つのチャンネルにまとめ、残りのたった一つのチャンネルにマイルスのトランペットを録音したわけです。

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 ということは、音量のバランスはトランペットのみ後で調整可能で、その他の楽器は、ライヴのPAのように、バランス良くレコーディングミキサーの人が音楽的に問題ない無いように、演奏を聴きながら、リアルタイムで調整をしていたわけです。これはクラシックのような音楽なら、すべて楽譜の通りに演奏するので、やり易いと思うのですが、即興部分が多いジャズの場合は、よっぽど音楽の内容を理解していないことには、することができる技ではなかったはずです。「いまバランスのとり方を失敗したので、スミマセン、もう一度演奏して下さい」ということはアドリブが多い音楽では許されることではありませんよね、、。

 「Kind of Blue」のライナーノートにあのアルバムでピアノを演奏しているビル・エバンスが、一回限りのジャズのアドリブを演奏する、ジャズミュージシャンのプレッシャーについて、やり直しがきかない日本の「書」に例えて文章をかいていますが、録音エンジニアも同じか、それ以上の緊張を強いられていたのだと思います。
 
 もっとも、コンピューターによるデジタル録音初期の現場では、ハードディスクのエラーや、コンピューターの不具合によって、録り終わった曲が、消えてしまったり、録音できていないなんていうことが結構あったみたいなので、エンジニアも演奏者も随分肝を冷やしたことはあったわけですが、、(^_^;) 。

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2013年04月19日

Arturo Benedetti Michelangeli

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 先日中古で購入したグレン・グールドのベートーベンのピアノ協奏曲全集。一番のコンチェルトの自作のカデンッアが素晴らしく、一枚目のNo.1,4のコンチェルトが入った盤をよく聴いています。
 二枚目にはNo.2,3が、三枚目にはNo.5の、いわゆる「皇帝」という副題のついた有名な協奏曲が入っています。ところが、私あまりこの「皇帝」が好きではないんですね、、。何だか大げさでわざとらしい曲想というか、コレの入ったアルバムはあまり持っていません。そう思って聴いたからではないと思いますが、大好きなグールドのこのCDの演奏でも、「つまらないきょくだな〜」と思いました。

 最近ふだんあまり聴かないピアノ曲のCDを聴いていることを、14日のブログに書きましたが、今日久しぶりに、長ったらしい名前のピアニスト、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリの、ブラームスや、シューベルト、ベートーベンなんかが入った、ドイツグラモフォンのCDを聴いていました。

 この人の演奏はかなり独特で、超有名な割に、これどうなのかな、、と言う演奏の録音が多いという印象があります。
今日聴いた盤は音は美しいんだけど、音楽が、、(~_~) という感じ、、。曲によっては良いんですが、、。

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 今日はベートーベンの「皇帝」について、書こうと思っていたので、ついでにこのアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリの演奏した「皇帝」を聴いてみました。
 聴いたのは、歳をとってから、カルロ・マリア・ジュリーニとフィーンフィルの組み合わせで、グラモフォンに録音した盤ではなく、私が随分前に買った、1995年に亡くなったアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリがまだ、40代の頃、1960年にヴァチカンで録音されたモノラルのライヴなんです。

 このアルバムは音質がかなり悪い、という印象以外あまり無かったのですが、十年ぶりくらいに聴いてびっくりしました。「何と言う素晴らしい演奏!!」この演奏なら、この曲好きかも、、です♡。オーケストラも素晴らしいです。イタリアのオケというと、ドイツやオーストリーのオケと比べて、イマイチ統制がとれていないと言う印象がありますが、昔は凄かったんですね、、(^_^;) 。

 ミケランジェリという人は、圧倒的に若い時の方がいいですね。私の友人が、晩年の演奏をきいて、「あの人はヘタウマだよね、、」なんて言っていて、「巨匠にむかって何と言うことを、、」と思いましたが、若い時の演奏に比べると、本来円熟するとされる年代の演奏の、技術の衰えがはやかったみたいですね。 録音技術者という仕事をしていながらこういう事を書くのはナンなんですが、演奏がここまで素晴らしいと、もう、音質とかは関係ないですね、、、。 でも、音質は悪くても、ピアノの調律や、ホールの良さはわかります。
 このアルバムは録音の音質について、考えさせられるとともに、演奏によって曲にこれほど「魂」が吹き込まれることがあるという、典型的な例をつきつけられた気がします 、、、(・_・;) 。   CMS Records web site  http://cms-records.biz

 ベートーベン、ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」(1960年録音)
マリオ・ロッシ指揮、イタリア放送ローマ交響楽団 7001855-HOM 写真はジャケットより、バッハのイタリア協奏曲(スタジオ録音ピアノソロ)も収録されています。

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2013年03月27日

いろいろなこと のつづき

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 昨日は、私にとって懐かしい、関東風ラーメン(中華そば)の事をかきました。

 なつかしいと言えば、昨日のブログを書きながら聴いていた音楽(今もきいてマス)。一応ジャズなんですが、レコードレーベルが、ドイツのミュンヘン、演奏している人達が全員英国人というアルバムです。
 
 随分若い頃(十代前半)からジャズを聴いていますが、昔からけっこう欧州のジャズ・サウンドが好きなんですよね。
非ブールース的というか、酒やタバコの匂いのする(と言う風に私には感じる)アメリカのジャズに対して、クリアーで、開かれた空気を感じる音楽、これが私のヨーロッパ・ジャズの印象なんですよね。暗いという人もいますが、そこが好きなんですよ、私は (^o^)/。

 このアルバムを出しているレーベルは ECM 、私たちは「イーシーエム」と英語風に発音しているわけですが、本国では 「エーツエーエム」と発音しているのだろうな、、と思っていたのですが、この社名は、Edition of Contemporary Music の略なんだそうです。英語なんですね ^^; 。 
 この会社、オーナー兼プロデューサーは、以前ベルリンフィルのコントラバス奏者をやっていた人で、マンフレード・アイヒャーという人です。
 
 ベルリンフィルと言えば世界有数のオーケストラとして有名です。音楽家=演奏家、それもそれなりの能力がある人がレコードレーベルを興すということが、あちらではよくある事なのかどうかわかりませんが、こちらではあまり聞く話ではありません。
 
 いちおう当レーベルとサイト、ブログを運営しているのも音楽家ですが、結構ナゾの人ですからね細川氏は、、。

 John Surman Quartet
Stranger Than Fiction

John Surman soprano and baritone saxophones, alto and bass clarinets
John Taylor piano
Chris Laurence double-bass
John Marshall drums

no-title Canticle With Response
 A Distant Spring
 Tess
 Promising Horizons
 Across The Bridge
 Moonshine Dancer
 Running Sands
 Triptych: Hidden Orchid, Synapsis, Paratactic Paths

 Recorded December 1993
 ECM 1534

 

 
 このアルバム、掲載している情報のとおり、もう20年も前に録音されたものですが、全く古さを感じません。

 音楽の内容、録音ともに、ECMらしいこのレーベル独特の雰囲気に満ちています。4ビート(swing)の曲は一つもありませんし、フリージャズの要素も入っています。リーダーのジョン・サーマンの吹く、いろいろな管楽器、その他の楽器のクリアーな音が、素晴らしい宇宙空間をつくっています。
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 収録がデジタル録音に、切り替わってからの録音ですが、まだパソコンを使い出す前の、デジタルの嫌みの無い音は、アナログ録音の完成したノウハウを、損なうことなくデジタル録音に生かしています。
 
 演奏しているミュージシャンは、みんな素晴らしい演奏家達ですが、私が特に好きなのは、ドラムのジョン・マーシャルです。彼はプログレッシブ・ロックのソフトマシーンというグループで演奏していた人で、私はかなり昔からのファンです。
 
 ここでは、私が今まで聴いたなかでは、一番ジャズ寄りの演奏をしています。決して叩き過ぎず、タイトで、乾いたリズムを刻むモダンなドラミングはジャンルを越え、時代を超え、心に響く説得力があります。
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2013年01月30日

音楽の温度

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 毎日寒い日が続きますが、如何がお過ごしですか?。

 人間というものは勝手なもので、寒くなると、温かくなってほしいと思い、暑くなると、寒い方がまだましだ、と思ったりします。今日は暖かさを懐かしんで、植物の緑の写真をのせたいと思います。「明けない夜は無い」という言葉がありますが、「春にならない冬は無い」ということで、写真を見ながら来るべき新緑の春を妄想して下さい ^^; 。
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 ところで、音に関する温度感について書きたいのですが、私には一つわからないことがあるんです。
たとえば、ヘビーメタルのロックなど、あつ苦しい(温度が高い)音楽とか、現代音楽の様な、寒い感じがする音楽とか、いろいろあると思うんですが、これは、地球上の人間の共通の感覚なのだろうか?ということなんです。

 我々が、たとえば、北欧の作曲家シベリウスの作品を聴くと、荒涼とした白夜の大地が、見えて来る様な気がする訳ですが、シベリウスは果たしてそういう効果を狙って曲を作っていたのだろうか?。
 私たちは普通寒ければ、温かくしたくなりますし、暑ければ、温度を下げたくなると思うのですが、寒いところに居る人が、わざわざ寒さを感じる音楽を作るのだろうか、、、?。もしくは寒さを感じる音楽を楽しむ事ができるのだろうか、、?。北欧に居る人達は、実は寒さを嫌っては居ないのでしょうか、受け入れるというか、あまり気にしていないと言うか、、。 
 ブラジルのサンバもそうで、暑苦しい気候の中で、少なくとも私たちには暑苦しく感じるサンバのような音楽を心地よく受け入れられるのだろうか、、?。
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 もしかして、寒い感じの音楽とか、暑い音楽とかいうのが、我々日本人だけの感覚だとすると、音楽に関して、随分違う景色が見えて来る感じがするんですよね。よく西洋の人が、日本語や、韓国語の会話を聞くと、普通の会話なのに、喧嘩をしている様に聞こえるのだそうですが、もしかして音楽も民族やバックグラウンドが違うと、まったく異なる感じに聞こえていたりするのではないか、、?と思うわけですが、皆さんどう思いますか?。
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2013年01月03日

ピアノについて 3

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 「良い音でピアノを録音する為にはどうしたら良いか」、について、前回(12月29、30日)書いた、ピアノのハンマーの整音作業は、調律師ならだれでもできる、という訳ではなく、非常に経験がものをいう作業で、実際のところ調律師全体の一割も、この作業をちゃんとできる人はいないでしょう。
 整音作業は固くなったハンマー部分を、針刺しなどで柔らかくする作業以外に、場合により、硬化剤を塗る作業もあります。ハンマーの状態がピアノの音色を左右するわけで、調律師は、いろいろな方法で音をつくっているんですね。
 
 ピアノの音をどのようにして良い音に録音するか、という事で書き始めた文章ですが、どうも内容がピアノ本来のメインテナンスの話になってしまったところがありますね。

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これは誰の手か?
 
 ピアノが良く調整されていて、いざ録音、となった時、大切なのが、ピアノが置いてある部屋の湿度です。

 とくにスタインウエイなどに使われている外国製のハンマーの場合、温度にもよりますが、湿度が65%くらいになると音が悪くなりますね。湿った状態のピアノを急に乾燥させても、恐らくはハンマーの奥に空気中の水分が多く含まれていると、思う様な音にはなりませんので、普段の保存状態も大事なポイントだと思います。
 ちなみに日本製のハンマーの場合(原材料は欧米製ですが)湿度には適応力がある様です。
 
 それから湿度が高いと、マイク(特にコンデンサータイプ)も思う様には働いてくれません。これはピアノに限ったわけではなく、ドラムに立てたマイクでも、高い音の成分の集音に問題が出ます。ピアノにしてもマイクにしても欧米の製品の場合、湿度が低い日常の状態を使用の前提としているので、平均的に湿度が高い日本で実力を発揮させるには、工夫が必要だと思います。

 他に床や部屋の壁の材質、残響などの音響特性も録音される楽器の音を変化させる要因になります。他にももっと 、いろいろあるのですが、それらをこれ以上公表するのは控えたいと思います(^^) 。

いずれにしても、一口に「どうしたら良い音でピアノが録音できるか」と言っても、地道な作業が積み重なって、はじめて到達できる世界なわけで、演奏者が、それまでの経験や努力を積み重ねて、音楽を表現しているのと同じ様に、一朝一夕には、成し得ない分野であることは間違いありません。

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2012年12月30日

ピアノについて 2

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 良い音でピアノの録音をするのには調律が重要なファクターであると昨日書きました。
ピアノという楽器に関しては、もう一つ大事なことは、調律以外に「整音」という作業があります。
 ピアノの弦を叩くハンマーという部分がありますが、その部分は羊毛でできたフェルトという材質でつくられていますが、何度も金属の弦にハンマーが打ち付けられると、当然のことながら、だんだんと柔らかいフェルトが弦の形に部分的に固く成ってきます。
 
 本来やわらかいフェルトで弦を叩かなければならないところ、少し固くなってしまったハンマーで弦を打つと、音も「カンカン」してきます。
 
 ライブハウス等の頻繁にハードな打鍵(ピアニストが鍵盤をたたくこと)を受けているピアノですと、ハンマーは、大体この状態にあります。ジャズの場合、ある程度この状態にあることで、ジャズらしいピアノの音ということになるのですが、これが行き過ぎると、とくに録音の場合、弦の近くにマイクがあるので、固さが強調されてしまい、ノイジーな音に聞こえてきます。これを緩和するためには、録音後の作業(ミキシング)で、ある程度音を変化させる事はできますが、これには限界があります。


 そこでしなければいけないのが、「整音」という作業になります。作業はもちろん熟練したピアノの技術者にお願いしなければなりません。すべての調律師がこの作業をできる訳ではありません。調律師さんの一割に満たない人達がこの作業を仕事として実行できる人達です。
 整音とは具体的にはどういう作業をするのでしょうか。それはピアノの「咽」つまり、弦を打つ「ハンマー」に、針を刺したり、削ったりする作業です。
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 針を刺すのは主に、直接弦があたり、フェルトの羊毛の繊維が押しつぶされて、詰まって固くなったところです。表面が固くなり過ぎて、針を刺しても効果が薄い場合は、ヤスリを使ってハンマーの表面を削ってからの作業になります。

 これらの作業はピアノの心臓部にあたるハンマーを触る、とても慎重にしなければならない作業です。当然のことながら、ハンマーを削ると少しづつですがハンマーが小さくなってゆきますので、ハンマーの寿命にも関わってきますし、うっかりすれば、ハンマーをダメにしてしまい、交換しなければならなくなる危険性があります。このお宅な話題、もうしばらく続きそうですね、、、(^^ゞ。

http://www.matsunaga-piano.co.jp/ 株式会社松永ピアノ
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写真は、グランドピアノのアクション(可動部分)を取り出して調整しているところ。技術者は(株)松永ピアノ代表 松永正行氏。
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2012年12月29日

ピアノについて

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 CMSレコードエンジニアの小宮山です。
 今日はピアノの音の録音について、少し書いてみたいとおもいます。
どうしたらピアノを良い音で録れるのか、これについては色々なことが言われています。
 一般に、マイクはあれがいいとか、楽器はこれがいいとか、、。一言で言って、これをこうすれば大丈夫とか、こうすれば絶対良い音になる、という様なことがあって、それを実行すれば、必ず良い音で録れる、なんて事があれば、楽なんでしょうが、それに値することはありません。
 
 ただ案外、皆さん気にしていないのが、やはり調律なんですよね。そして意外なことに、ピアノの演奏者が調律やピアノのメカの調整(専門的には整調といいますが)には詳しく無いんですよね。
 実際のところ、よほどのピアニストでない限り、調律師や弾く楽器を選べないという現実があるわけです。ですから、なおさら、録音物の制作者側の人間となると、そこまで細かくはピアノに関してこだわっている場合は少ないですよね。
 
 ピアニストは普通自分で調律はしないわけです。ここで、「へー そうなんだ〜」という人もいるんでしょうが、ピアノには200本以上弦があって、もしピアニストで調律をする人が居たとしても、その作業の直後に演奏、録音となると、かなりきついでしょうね (^_^;) 。
 
 良い調律が、ピアノを良い音で鳴らす上で、とても重要なファクターになってくるのは間違いありません。
 ところがよく、録音中に一曲終わる毎に調律師が付きっきりで、作業して調律を直していて、「完璧な状態で音を録った」、なんて事を聞く事がありますが、これはちょっと聞きには素晴らしい事の様ですが、実は本当に良い調律師が調律した場合、一曲弾くごとに調律が狂うなんて言うことはありません。
 
 もし多少強く弾いたとしても、すぐ狂うとしたら、調律師が下手か、ピアノの状態に問題があるとしか考えられません。

どうしても専門の録音の事になると文章が長くなります。続きはまた明日ということで、ご期待下さい ^^; 。
 
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CMSレコード HP http://cms-records.biz/

2012年12月15日

きのうの続き、、。

tenon.jpg 優秀なプロデューサー(エンジニア)を迎えたアーティストは安心して自分の仕事に打ち込めます。ここでのクレーメルはそのようにして、のびのびと演奏している様にきこえます。プロデューサーのヘレムート・ミューレは、たしか、ECMのバッハの無伴奏の録音でもプロデューサーを勤めていました。
 このアルバムの内容の多くは、簡単に言ってしまえば、バッハ作曲の鍵盤楽器の作品のオーケストラ編曲版ですが、実に様々な工夫を随所に凝らしています。
 クレーメルは演奏と楽団を率いるリーダーシップもさることながら、恐らくはモスクワ音楽院時代に培った人材コネクションの、優秀な作編曲ブレーンを持っていて、他の題材でのプロジェクトでも同じ様に、それらの人達と共同で、興味深い作品を制作しています。
 一方今回の作品を録音技術の面から聴いてみると、専門家の私にとっては、多少の意見があります。基本的には優秀な録音だと思うのですが、私の好みから言うと、現場の響き、ホールトーンに頼りすぎているというか、もう少し全体の音像がくっきり表現されていると、もっと音楽が楽しいのではないかと思います。
 推測するに、2本もしくはそれに近いワンポイント的なマイクセッティングで、DSDなどハイレゾリューションの規格を使った新しいデジタル録音で収録されていると思うのですが、現場の響き、楽器の細かいニュアンスはきれいに記録されていますが、あまりにも現場の音そのままというか、海外のFM放送などのコンサートの収録のような臨場感を感じます。
 もうすこしマイクの数を立てて、後処理で空間をつくって演出するのも一つの手ではなかったのか、とも思います。しかし、そうすると、現場の収録にも、その後のミックス作業にも膨大な時間と経費がかかるので、意外にもバジェットの問題もあったのかもしれません。
写真は福岡の珈琲店「手音(てのん)」で撮影。 http://www.tenon-coffee.com/
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