2014年01月03日

音楽のカテゴライズについて

3-1.jpg


 今日は正月の、3日、、。 今は夜の十時を廻ったところですが,今日はまだ一度も外に出ていません。 たまには寝正月もいいもんです。

 実は音楽について、いろいろな事を考えていたのですが、、マジメに、、(^_^;) 。 音楽を分類するジャンルというものがありますが、あれって主に商業的な理由でつけられたというか、売る側の都合で分けられたジャンルなんだと思います。

 なんでこんな事を改めて、いまさら考えたのかというと、ピアソラの音楽を聴いていて、ふと思ったんです。アストル・ピアソラという人は、アルゼンチンに住んでいた(実はアメリカにも子供の頃住んでいたり、フランスとかにも住んでいましたが)ので。バンドネオン奏者だし、タンゴの音楽家ということになっていますが、ピアソラの音楽をタンゴと呼ぶには、マジメに考えると無理がある気がするんですネ、、。

 何が言いたいかというと、例えば、ある音楽をそれを聴いた事が無い人に説明する時、クラシック,だとかロックだとか、、そう言うふうに説明する事が多いと思うのですが、それが本当に正しい、つまり正しくイメージを伝えられる言い方なのか、、、? ということなんです。 まあ、音楽とか食べ物とか、それを本当に体験しないで、言葉で内容を伝えるということは、当然の事ながら、無理があるんだと思うんです。 

 ロックといっても様々、いわゆるロックンロールと、パンク、ヘビーメタル、とプログレ(アートロック)では、全くちがう音楽なんだと思うんですね、クラシックでも、ボッケリーニのメヌエットと、シェーンベルクの浄夜は全く違う、、(~_~) 。

 いろいろな人が、それらの音楽を実際に知っていれば、その人達に説明というか、情報を伝達する時には、細かい事を考える事なく、ジャズ、だとかロックだとか、いろいろ安易に説明して良いとおもうんですが、何かもっとあらゆる人にわかり易い、今までのジャンル分けではない様な、やり方、言葉があって良い、、というかあった方が便利ではありますよね、、、。

 そんな、いろいろ説明をするより、最近なら、音楽をYou Tubeで実際に聴けば、ジャンルなんて関係なく、すぐに内容がわかるという事なのだと思いますが、、、。

 このブログでも音楽の話は当然多いわけですが、ジャンル分けというものは、とても便利であると同時に、大きな弊害というか、音楽の内容が正確に伝わらないと言う欠点ががあると思うので、どうにかしたいという気がしています。

3-2.jpg



 たとえば、フランクザッパ、、、ってご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、アメリカのコンポーザー兼、ギタリストというか、音楽家がいたわけですが、その人はもしかしたら自分はロックミュージシャンだと思っていたと思うんですが、アメリカの音楽雑誌で主にジャズの事を書いてある、Down Beat に彼の活動の事が,特集されていたりするんですが、日本では絶対ジャズ系の本には載らなかった人ですよね、、、。
 でも彼の活動は、あまりにも多岐にわたっていて、一言で、「ロック」というジャンルには絶対入れられない音楽だったと思うんです。

 こうしている間にも,私はアストル・ピアソラの晩年のバンドのスイスのルガーノというところでのライヴを聴いているわけですが、これは、タンゴではなく、タンゴという音楽に軸足をおきながら、アストル・ピアソラという人が考えた極めてオリジナルな、独自の音楽、、。
 主にクラシックやジャズの影響を受けつつも、それらを見事に消化してみせた、稀な例、なんだと思います。

 ジャンル分けが好きな、、、?国民性の日本においては、最近まであまり評価されて来なかった音楽ですが、これは素晴らしい音楽だなと、あらためて感じるとともに、ジャンル分けがつくり出す、聴衆の固定概念というものは強烈で、これは、独自の,ジャンルにとらわれない表現をしていればいるほど、その音楽家にとっては足かせとなってしまうんではないか、、と思います。

 実際に、ロックは聴くけど,ジャズは聴かない、、とか、ジャンルで分けて音楽を聴いている人って、多いですよね、、。ラーメンは食べるけど、日本蕎麦は食べないとか、カレーは食べるけど、エスニック料理は食べないなんていう人もいるわけで、それは料理人や音楽家など表現している人達にとってには罪な話だと、私は思います。

 みなさん今年はジャンルの壁を破ってみませんか、、、( ^ ^ )/、?
 
3-3.jpg


 CMSレコードのアルバムが全て、web site のリンクからご購入頂ける様になりました。お好みのアルバムを是非ポチッと、、。You Tube による試聴リンクも NEWS のページにあります。

 CMS Records web site  http://cms-records.biz





posted by えんこみ at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽

2013年12月28日

ヒンデミット Paul Hindemith

28-1.jpg みなさんヒンデミットという作曲家をご存知でしょうか? 1895年生まれ、1963年没のドイツの作曲家、、、。 有名な曲は「交響曲 画家マチス」この曲のタイトルを知っている方は、少しはいるかも知れません。
 
 私はこの曲をまだ若い頃(20代)に、友人にカセットで聴かせてもらいました。でもそのとき、ヒンデミットとほぼ同世代のフランスの画家、アンリ・マティスのことを題材にした、、、ときいていました。ところが、最近中古レコード店まわりの収穫として、ヘルベルト・ケーゲル指揮、ドレスデン・フィルハーモニー、ドイツシャルブラッテン・レーベルのCDを廉価で、手に入れたので、改めてこの曲と、その作曲家のヒンデミットについてしらべてみました。

 すると、、このマチスというのは、前記したフランスのマティスではなく、16世紀のドイツの画家、マティス・ゴートハルト・ナイトハルトのことだということがわかりました、、(^_^;) 。 私は何十年も勘違いをしていたのだと思うと、恥ずかしい一方、やっと本当の事がわかって、なんだかホッとしました。
 ところで、このヒンデミットという人、存命当時はとても高い評価をされていた人らしく、わたしはもちろん好きな作家でありましたが、その割に、現代の評価はあまりにも低い気がします。

28-2.jpg

 ナチスドイツに反抗的な態度をとっていると判断されたヒンデミットはいろいろな迫害を受け、「交響曲マチス」と同じ題材の「オペラ」は一度は上演禁止にまでされたらしいのですが、当時のドイツ音楽最大の権力者、作曲家でもあった、フルトベングラーがナチスに逆らってまでヒンデミットを擁護したということで、初演は彼の指揮で実現。 フルトベングラーは、全面的に彼を応援していたようです。

 フルトベングラーも、ヒンデミットも結局はナチスと決裂し、国外へ逃げることになるのですが、初期のナチスに協力したということで、フルトベングラーはその後、国外では、なかなか思う様に活動できなかったようですが、ヒンデミットは68歳でなくなるまで、様々な活動を続けた様です。

 私は思うのですが、ヒンデミットは、以前書いたイギリスの作曲家ブリッテンとならんで、近代の素晴らしい作曲家として、非常に重要な位置にある人だと思うのですが、いわゆる12音技法や、前衛的な手法を使っていないなど、音楽的には多少地味な側面を持っているため、その他の現代音楽の派手な作品にくらべ、過小評価されている気がします。
 なぜこの人が,ストラヴィンスキーとおなじくらい有名でないのか、、私には理解できません、、、(ーー;) 。
 ヒンデミットは交響曲だけでなく、とても多くの楽器の為に書いた協奏曲や様々なソナタをはじめ、膨大な優れた曲をたくさん残しているので、皆さんも是非機会があれば、聴いてみて、イマジネーションゆたかで、緻密な作風を味わってみてください ( ^ ^ )/。

 ピアノソナタは、グールドも演奏していますよ、、。

28-3.jpg


 CMS Records web site  http://cms-records.biz


posted by えんこみ at 21:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽

2013年12月17日

Arthur Grumiaux のはなし

17-1.jpg


 12月15日にたまたま手に入れたバーゲン品の4枚のCDの中にあった、ベートーベンのヴァイオリン協奏曲、、。 演奏していたのはArthur Grumiaux ー アルチュール・グリュミオー( 1921〜1986) という往年の名演奏家でした。

 あのアルバムがかなり気にいったので、今日も書いてしまいます、アルチュール・グリュミオーの話 、、( ^ ^ )/ 。

 いろいろヴァイオリン音楽が大好きなわたしですが、なぜかこれまで、グリュミオー 氏の作品は一度も購入していませんでした。

 一番好きなギドン・クレーメルだけでなく、いろいろな演奏家のアルバムを持っていますが、クレーメルの作品が多すぎて、限られた時間のなかで、正直他の演奏家のアルバムを聴く機会は、それほど多くはありません、、、。初めて手に入れたグリュミオー 氏のベートーベンにすっかりやられてしまった私ですが、これまでに一度も演奏を聴いた事がないわけではありません。

 ラジオやその他、いろいろな所で、いろいろな曲をグリュミオー 氏が演奏している録音を耳にした事はありました。特に優れている、と思ったことはありませんでしたが、いま考えてみると、人間ですから、得意、不得意というものがあり、彼の最良の演奏を聴けてはいなかったのかもしれません、、、。

17-2.jpg


 今回彼のベートベンの協奏曲をきいてから、どんなレパートリーを録音しているのか、ざっとですが、調べてみました。すると実にたくさんの曲、広範囲にわたっていろいろな曲を録音しています。 バッハやそれ以前の曲、モーッアルト、ブラームスやメンデルスゾーン、ラヴェルやサンサーンス、ヴュータンやラロ、イザイなどフランス、ベルギーものをはじめ、バルトークやベルクにいたるまで、、。とくに有名なのはピアニスト、クララ・ハスキルとのコンビで録音したモーッアルトらしいのですが、わたしはまだ聴いていません。
zaP2_G7286087W.JPG
 いまこのブログを書きながら聴いているのは、you tube にあるバッハのソナタとパルティータ、、、。これをきいて意外に思ったのは、Partita #1 In B Minor, BWV 1002 - Correnteの演奏の仕方です。 シゲティーをはじめ、多くのドイツ系の演奏家がしているのとは異なるしかたとして、八分音符にスラーをかけず、スタッカート的に演奏しているのですが、このやり方は、クレーメルが、三回目のパルティータの録音ではじめてしたやり方なので、どちらかといえば、ドイツ系の血筋をもつクレーメルが、彼が独自に考えて弾いていたのかと思っていましたが、もしかしたら、グリュミオー,もしくはいわゆるフランコベルギー派の演奏に影響をうけているのかもしれません。

 いま聞いているソナタとパルティータの演奏は、極めてなめらか、音程も良く、かなりの名人芸です。独特の深みと軽さが共存した甘い音色ですが、表現は優雅でこそあれ、決して軽くはありません。
 いま私はこの曲だけで、多分8種類の録音をもっていると思うのですが、近いうちにこのグリュミオー 氏の音源も加わりそうです、、(^_^;) 。

 膨大なレパートリーを持っていたグリュミオー 氏が亡くなったときには80枚近い全集が発売されたそうで、録音の数もかなり多かったのだなと思っていました。
 
 写真のジャケットは、バッハのヴァイオリン協奏曲から、、。  昨日にひきつづき、少し早めのアップ、、、(^o^)/v 。

12..jpg


 CMS Records web site http://cms-records.biz

posted by えんこみ at 22:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽

2013年12月16日

Arthur Grumiaux の Beethoven

16-2.jpg



 昨日のブログ、オフなので、行った中古レコード屋さんで手に入れた、4枚のアルバムの中で、今のところ一番気に入っているのは、Arthur Grumiauxのバイオリンに依るベートーベンのヴァイオリンコンチェルト。

 何が好きなのかというと、とにかく音がきれい、、、。ヴァオイリンの音色が美しいのは、クレーメルで、慣れているつもりですが、この人の音は本当に美しい、、。腕はもちろん良いのでしょうが、ヴァイオリン本体や弓もきっと素晴らしいのでしょう。昔はFM放送などで、いろいろなヴァイオリン・コンチェルトがかかると、このグリュミオーの演奏が良くかかったものです。 1921年の生まれの巨匠です。

 でもわたしは、実は、お恥ずかしい事に、この人の演奏のアルバムは一枚も持っていなかったんです、、、(^_^;) 。 演奏のしかたは、ちょっと後輩のミルシュテインにも似た、高貴な感じですが、もっと太く力強い感じですね、、。 
 ミルシュテインはウクライナ出身ですが、フランコ・ベルぎー楽派と言われるひとですから、ベルギー生まれのグリュミオー氏と、音楽的な共通点があってもおかしくは無いですね。 調べてみると、デュメイはグリュミオーの一番弟子的な人みたいですね、、、。でも彼は先生と比べると格が違いますねちょっと、、、(^_^;) 。

16-1.jpg


 このアルバムの素晴らしいところは、もう一つ、コリン・デイヴィス振るところの、オランダ、アムステルダムのローヤル・コンセルトへボー・オーケストラ、、、。1971年の録音ですから、いまから32年前の録音ですが、コンセルトへボーは大きなホールなんですが、その大きさにふさわしい豊かな響きと豪華なたたずまいがある演奏です。 弦、特にバイオリンセクションのバランスや、木管,金管のバランスは、近年よりいい感じがします。

 録音の質もオーケストラを客席の一番良い位置で聴いている様な、繊細かつダイナミックな音です。 コンチェルトの場合、どうしても、実演より録音のほうが、バランスが良く聞こえますが、このアルバムもそんな感じです。オケのトウッティーでも、ヴァイオリンの細かい音色の変化がしっかりわかる、というのは、現場ではなかなか体験できない、優秀な録音ならではではないでしょうか、、?

 カデンツはクライスラーのバージョン、第一楽章の二つの主題が同時に絡み合う箇所は、クレーメルのような器用さは感じませんが、ふくよかで、威厳のある、良く歌う表現をしています。

 このアルバムはオムニバスの廉価版なので、他に、ロマンスの1、2番が収録されています。こちらは70年の録音で、エド・デ・ワールド指揮、ニューフィルハーモニーが演奏しています。 このころグリュミオー氏は 50代前半、このあと持病が悪化して15年ほどで他界してしまいますので、もっとも油ののっていた時期かも知れません。

アナログ録音なので、若干のテープノイズがありますが、演奏が素晴らしすぎて、ナンにも気になりません。あらためて、ベートーヴェンのこの曲の素晴らしさも感じることができるアルバムです。 290円安過ぎですな、、、(^_^;) 。

 今日はアップが早い、、、明日は雨が降る、、、?   ( ゜д゜) 、、、ホントに雨らしいスッ、、、 (ーー;) 。

16-3.jpg


 CMS Records web site http://cms-records.biz

posted by えんこみ at 21:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽

2013年12月05日

Bill Evans のこと、、。トリオ以外のアルバムについて。

4-1.jpg


 昨日のブログでかいた、ビル・エバンスのアルバム「What's New」。

 エバンス氏のアルバムが、何枚リリースされているかは、知りませんが、ほとんどが、ピアノトリオ、、。ちなみに私の知っている管楽器の入った彼のリーダーアルバムは6枚。古い順に書くと、リバーサイドレーベルの「Interplay」、ヴァーブの「What's New」、ファンタジーでは「Quintessence」、「Cross Current」、ワーナーレーベル では「Affinity」と「We will meet again 」の2枚づつ、、。偶然かもしれませんが、それぞれに参加しているメンバーはワーナー盤2枚に参加している、べースのマーク・ジョンソン以外は、一人も重なっていません。

 ちなみにレコーディングではさまざまなフォーマットをこなしているエバンス氏ですが、ツアーはほとんどがトリオで、私の知る限りは、べースのエディー・ゴメスとのデュオでのツアーが少しだけ有っただけだった気がします。

 生前のインタビューで、管楽器を入れて演奏すると、バンドへの自分の影響力が弱ってしまうので、あまりやりたく無い、、みたいなことを言っているのを読んだことがあります。でもそれにしては、5枚のうち3枚で管楽器とギターやトランペットとテナーサックス,
アルトとテナーなどをいれてのレコーディングをしています。
 一般には、トリオ以外の作品の評価はあまり高く無いようですが、私はそれほどつまらないモノだとは思いません。

4-2.jpg


 共演者はそれぞれに、ほとんどが、リーダーリラスの演奏者で、いわゆるオールスターバンド的な布陣でレコーディングしていますが、どの奏者ともうまくやっている様な感じがします。アルバムによっては、管楽器奏者と曲によって、バンドではなくデュエットで入れた曲もあったり、いろいろ苦労している様な気もしますが、私にとっては、ピアノトリオとは少し違う彼の側面を見ることができて、面白い気がします。

 業界内部的な話をすれば、レコーディングというものは、ほとんどが、メージャーなレコード会社の場合、特にプロデューサーに、全ての決定権があるので、プロデューサーが考えた企画をビル・エバンスや、マネージューに打診し、承諾すれば、レコーディングが実現する、、、という流れになっているので、ここに上げたアルバムが、全て、エバンス氏本人の強い希望で行われたという可能性は、あまりたかくはない、とは思います。

 ちなみに、上に書いた6枚以外に、テナーのスタン・ゲッツとのカルテットのアルバムが存在しますが、録音直後はエバンス氏は発表を固辞していた様です。

4-3.jpg



 好評のべースデュオシリーズ第二弾「Duologue」中島教秀、細川正彦Duo CD発売記念ツアーVol.1。
 関西から、ベーシスト中島教秀さんを迎えて九州内5カ所で行います。九州ではなかなか聞けない、名手の演奏を、お近くの方は是非おいで下さい。9/10火曜にもう一カ所演奏会場がふえました。お近くに方は是非!!

  / 7 Sat 佐賀 シネマテーク
/ 8 Sun 小倉 Big Band
/ 9 Mon 福岡 New Combo
/ 10 Tue 朝倉 ギャラリーカメヤ 〒838-0068 福岡県朝倉市甘木1058 Tel 0946-21-0022 7:30 〜
Album「Duologue」 試聴 You Tube

■ お知らせ 2
九州のFM熊本の「 everyday jazz」 という番組で、発売ツアーにあわせて、中島教秀 細川正彦 Duo 「Duologue』が放送されます。期日は、来週 12月2日(月)〜3日(火)それと、こちらは全国放送ですが、CSのミュージックバードでも近日中に「Duologue」がオンエアされます。<FM熊本 周波数> 熊本 77.4MHz 阿蘇 81.3MHz 南阿蘇 76.8MHz 小国 80.4MHz 人吉 82.0MHz 五木 81.3MHz 御所浦 78.4MHz 牛深 76.9MHz

CMS Records web site  http://cms-records.biz
posted by えんこみ at 02:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽

2013年04月07日

高木元輝の音

7.jpg

 
 久しぶりに、サックスプレーヤーの川下直広氏にお会いしました。話の流れで、2002年に亡くなったサキソフォンプレーヤーの高木元輝氏の話題になり、いろいろな音源を聴かせて頂きました。
 
 高木氏は大阪生まれ、横浜で育った演奏家で、一応ジャンル分けをすると、フリージャズの分野で活動されていた人で、川下氏は生前の高木氏と親交があった関係で、彼の死後、関係者からいろいろな音源を頂き、所有しています。
 
 そのなかの多くは、ライヴの現場で記録されたもので、一般には知られていないモノがほとんどで、その幾つかを、聴かせていただいた。

 伝説のプレーヤーというか、実演に接したことはありませんでしたが、私は一枚だけアルバムを持っていましたが、あまり印象には残っていませんでした。
 
 エンジニアという仕事柄、私なりに、「この人は、こういう人(音楽家)であるという、私の中での位置というものがありました。

 今日聴かせていただいた音源は、それらの私の印象と全くちがうもので、かなり衝撃を受けました。
 
 というか、私の聴いていた、たった一つの高木氏を知る音源は、今日聴いた音源と比較すると、全く氏の実像をとらえた物ではないことを、ハッキリと認識しました。

 
7-2.jpg


 高木氏の音楽は、フリージャズ、つまり、ジャズと言っても耳障りの穏やかな物ではなく、いわゆる前衛的な音楽で、一般の多くの聴衆にとっては聴き易いものではないかもしれません。
 
 そして生前発表された音源(アルバム)は少なく、その多くは廃盤になっており、一部の好事家をのぞいてほとんど知られていない物なのですが、その音楽のレベルは極めて高いといわざろう得ません。
 
 彼の技術の高さ、音楽の多様性は、今聴いても目をみはるものがあり、何故これがもう少し世の中に出なかったのか不思議でなりません。

 これは一重に、業界関係者の無理解に他ならず、彼に、より多くの、正式な記録を残す機会を与えることができなかった事は非常に残念な事だと思います。

 今日聴いた音源は、本人が気に入って所有していたモノだけだそうで、まさに秘蔵といって差し支えない演奏の記録ばかりでした。
 その中には、「こんな組み合わせも在ったのか、、」というような、海外での一流演奏家との共演の記録もあり、きわめて貴重な音源もたくさんありました。

 プライヴェートな記録とはいえ、それらが残っていることは、とても有り難い事であり、それを記録していた方々には音源制作者として、敬意をはらわざろうえません。 

 やはり制作者の側にいる人間として、良い記録を残し、後世に伝えてゆく責務が、我々には有るのだということを強く感じました。
 
 今となっては、どうしようも無い事ですが、せめて一度だけでも生演奏を聴いてみたかったですね、、。川下さん今日は、貴重な音源を聴かせて頂いて、ありがとうございました m(_ _)m 。

CMS Records web site  http://cms-records.biz

DSA0117578.jpg
posted by えんこみ at 04:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽

2013年03月14日

コマーシャル映像の為の音楽

 きょうは、私たちにとっては懐かしい作品、CMSレコード主宰、作曲家、細川正彦と、私エンジニア小宮山英一郎の、制作したテレビコマーシャルの音源をアップしてみました。もう軽く十年くらい前の、醤油メーカーが作ったドレッシングのCMです。容量が大きいので、もしかしたら、PCでしかみることが出来ないかもしれません。



 コマーシャルの音楽というものは、広告の企画があって、それを演出する演出家の要求に応じて、短い時間の中で、映像に合った、より効果的な音楽をつくることを要求される仕事です。CDアルバムをつくるのとでは、随分ちがった頭を使う世界ですし、最終的にできあがる音源の長さが、とても短いので、より緻密な作り込みをする必要があります。
 この映像の場合、コンピューター・グラフィックで、とてもシュールで、細かなアニメーションが造り込まれていて、それに見合った映像音楽を制作する必要がありました。

やまそら.jpg


 音だけの世界にくらべ、いろいろイメージが広がる部分もあり、面白いのですが、短い長さの中で、説得力のある音楽を発想することは、それなりに大変な作業であるとも言えます。それだけに音楽の力の真価を問われるというところでもあります。
 映像をつくるスタッフは、音楽よりはるかに長い時間をかけてアニメーションを制作しています。
みなさんどのようにご覧になられたでしょうか?     CMS Records web site  http://cms-records.biz

やまゆか.jpg
posted by えんこみ at 02:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽

2013年02月11日

Ginette Neveu

ビル.jpg 今日は音楽の話題、フランス人ヴァイオリニストのジネット・ヌブーを話題にしたいと思います。
 1919年生まれですから、随分昔の人です。音楽界にはいろいろと天才神話みたいなものがありますが、この人みたいな人を、本当の天才と言うのかもしれないな〜と思ったりします。
 そしてなぜか、そう言う天才と言われる人に限って、早くこの世からいなくなってしまうんですよね、、。


 私はヴァイオリンと言えばギドン・クレーメルが大好きで、クレーメルばかり聴いていますが、けっこう他のヴァイオリニストも聴くんですよ、、。クレーメル以外で、とても関心するのは、音色なども含めて今日話題にしているジネット・ヌブーがいちばんですね。
 
 クレーメルもそうなんですが、私の感覚では歌い方というか、音楽が人間の奥の方から出ていると言うか、嘘をつかずに、自分に正直に表現、演奏している感じがするんです。これは私にとって限られた時間をつかって鑑賞する音楽のなかでは、とても重要なことなんです。
 今回久しぶりに、この人の演奏するブラームスの協奏曲をききました。
 
 この曲は非常に重厚で複雑、かつ壮大で、なかなか理解できなかったのですが、12月25日のブログに書いたとおり、グレーメルと指揮のアーノンクールの演奏のおかげで、いろいろと謎がとけて、すっきりとして、とても好きな曲になりました。
 
 ジネット・ヌブーはフランス人ですが、なぜかこの難しいブラームスのコンチェルトが大好きだったらしく、わずか十数年のキャリアのなかで、2回録音が残っています。何しろ30歳でこの世を去っているので、まだ録音が盛んでない時代に活動していたので、CDに換算して4〜5枚しか記録が残っていません。

 今日は久しぶりなので、その二枚とも(一枚はドイツでのライヴ、もうひとつはビートルズで有名なイギリスのアビーロードスタジオで録音)聴いてみました。スタジオが1946年、ライヴが1948年の録音なので、勿論モノラルですし、音質も良く無いのですが、やはりあらためて感動しました。
まど.jpg
 わたしは録音技術者なので、こういう事をいっては何なんですが、演奏が素晴らしいので、音質の悪さはあまり気にならないと言うか、もうどうでもいいという心境になりました(^^) 。こんな素晴らしい演奏をよく録音していて下さいました、ありがとうございますm(_ _)m 。というのが正直な気持ちですね。まあ当時の録音技術から考えれば、けして悪い質の仕事ではないのですが、、。どうしても今と比較すると悪く感じますよね (~_~) 。
 
 いつも私が言っている事なんですが、悪い演奏をいくら良い音で録っても、音楽の寂しさが、はっきり聞こえるだけなんですが、演奏が素晴らしければ、悪い録音を補ってあまりあるというか、それを陵我できるんですよね、、、。
 チャーリー・パーカーやロバート・ジョンソンの録音を聴いても、そう思います、、(^o^)/。

 音楽には「魂」がひそんでいる、ということを、こういう演奏、録音を聴くと改めて感じます。

 それにしても神様というものがいるなら、あまりにも残酷なもので、この素晴らしい音楽家(まだ30歳で!)と、名器ストラディバリ、そして彼女のお兄さんまで、飛行機事故で一瞬にして、天に召されてしまうとは、、。彼らの魂はこの世にはなくなりましたが、かろうじて、録音をきくとその息吹を聴くことができます。

 音楽の話にもどせば、わたしにとっては、クレーメルが3回録音しながら、一度も演奏、録音していないヨーゼフ・ヨアヒムのカデェンツアを聞くことが出来る貴重な演奏でもあります。
 楽器の音も素晴らしいですね、この録音でもしっかりわかります。ストラディバリもピンキリで、いろいろあるみたいですが、この楽器は良い音がしています。この音質でこの倍音の豊かさは、本当に信じられません。 ジャケット写真はライヴ盤のものです。

CMS Records web site http://cms-records.biz

yamano_1163000748.jpeg








posted by えんこみ at 00:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽

2013年02月09日

Chamber Concerto for Piano and Violin with 13 Wind Instruments

くもくも.jpg

 今日は久しぶりのクラシックねた、、。久しぶりなので、ちょっとマニアックな曲について書きたいと思います(いつも結構マニアックですが ^^;)。
 取り上げる曲は、アルバン・ベルクの「ピアノとヴァイオリン、13の管楽器の為の室内協奏曲」です。

 通常協奏曲というと、ピアノとか、ヴァイオリン、とかフルートとかクラリネットとか、一台の楽器とオーケストラの共演する曲が多いんですが、意外にも複数の楽器の為につくられた曲も、沢山あります。
 
 例えば、ベートーベンはピアノとチェロとヴァイオリンの3重コンチェルト、モーッアルトはヴァイオリンとヴィオラの為のシンフォニア・コンチェルタンテ(合奏協奏曲)、かわったところでは、メンデルスゾーンのピアノとヴァイオリン、弦楽オーケストラの為のコンチェルトなんていうのもあります。もう少しかわったところでは、ショスタコービッチの協奏曲第一番のように、ピアノ協奏曲といいながら、トランペットの独奏も入ってくる曲があります。それからバルトークの管弦楽の為の協奏曲というのもありましたね、、。

 ところで、今日取り上げた曲の13の管楽器とは、木管,金管あわせて、 piccolo, flute, oboe, English horn, E♭ clarinet, A clarinet, bass clarinet, bassoon, contrabassoon, trumpet, French horn×2 tromboneです。

 なぜこのような編成になったかは不明ですが、ベルクは当時作曲の先生のシェーンベルクの50才の誕生日を記念して作曲していたそうですが、完成が間に合わなくて数年後にできたらしいです (^^) 。
 
 細かい11の楽章に分かれている曲で、全体で40分近い長さですが、楽章はほぼ途切れることなく演奏されます。

 ピアノがイニシアチブをとる部分とヴァイオリンがとる部分、二つの楽器が混じりあう部分といろいろなシーンがありましが、いわゆる12音音楽ですから、わかりやすいテーマや動機はありませんが、細かく聞いてみると、テーマと変奏、ロンドなどの手法が普通に使われています。
berg.jpg 
 私はこの手の音楽の場合、あまりそういう事を意識すること無く、無機的な音の波に身をまかせながら聴くのも好きなのですが、何回も聴いていろいろわかって来ると、それはそれで面白くはあります。

 私はこの曲のCDを二枚持っていて、一枚はピエール・ブーレーズ指揮、ピアノがバレンボイム、ヴァイオリンがズーカーマンの盤と、クラウディオ・アバド指揮で、アイザック・スターンのヴァイオリンと、ピーター・ゼルキンのピアノによる演奏です。

41ES8EYMQEL._SL500_AA300_.jpg
 あらためて聴いてみると随分演奏によって曲がちがう曲に聞こえるものだなと思います。いまの私の好みでは、スターンとゼルキンの演奏が好きです。
 協奏曲というと通常オーケストラが伴奏するので、大勢の弦楽器が聞こえて来るのですが、この曲は管楽器のみが伴奏で、何か風通しが良い感じで、すっきりした音楽で、心地良いです。 皆さんも機会がありましたら聴いてみて下さいね。

 ベルクはヴァイオリン協奏曲もいいですよね。
最近もう一つかわったコンチェルトをみつけましたので、次の機会に紹介してみたいと思っています。

■ Piano Perter Serkin, violin Isaac Stern  Menbers of London Symphny Orchstra,Claudio Abbado
■ Piano Daniel Barenboim, violin Pinchas Zukerman   Ensemble Intercontemporain, Pierre Boulez

CMS Records web site http://cms-records.biz
posted by えんこみ at 03:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽

2013年01月22日

Maurice Ravel Piano Concerto for the Left Hand

火.jpg

 みなさん、コレをご覧になっている方々の多くは、モーリス・ラヴェルという作曲家をご存知だと思います。

 今日お話したいのは、ラヴェルが作曲した「左手の為のピアノ協奏曲」についてのことです。
この曲は文字どおり、オーケストラのパート以外の、ピアニストが弾くパートは、左手のみで演奏されることを想定して書かれた曲です。

 なぜ、その様な変わった、演奏形態をとったのかと言いますと、これはラヴェルが第一次世界大戦で右手を失ったピアニスト、パウル・ヴィトゲンシュタイン(有名な哲学者ルートビッヒは兄)に依頼を受けて作った曲だからです。

 ラヴェルといえば、一般的には「ボレロ」をはじめとする、たくさんのオーケストラ曲や、ピアノ曲で有名な、大変優れた作曲家ですが、実は私の好みでは、あまり好きなコンポーザーではないんです(勿論オーケストラの鳴らし方の素晴らしさは認めていますよ)。
 私の印象では、どうもラヴェルさんの曲は絢爛豪華というか、音数が多く、いささか「おしゃべり」な印象で、音楽としては少し情報過多な気がして、今一つ馴染めないことが多いんです。
451px-Maurice_Ravel_1925.jpg 
 ところがこの曲を随分昔に、FM放送で聴いた時の印象は、とても良く、「何て美しい曲なんだろう!」と思いました。これは演奏に依るところも多く、その時アナウンサーが告げたピアニストのクンウー・パイク(白建宇)という人の名前もすぐ覚えてしまいました。
 
 この時の演奏はフランスの実況録音で、カセットでエアーチェック(懐かしい言葉ですね)していたので、何度も繰り返し聴きましたが、いまはもうカセットはないので聴けません。

 数年前にアンヌ・ケフェレック、ストラスブール フィルハーモニーのCDを手に入れていまして、いまはそれを聴いていますが、あの時の演奏の方が勢いがあって良かった気がします。
 他にもサンソン・フランソア、レオン・フライシャーなどいろいろ聴いてみましたが、クンウー・パイクさんの演奏を越えるものは無い様です。調べてみると、近年彼は世界的に活躍しているらしく、有名なレコード会社からも沢山アルバムをリリースしていらっしゃる様ですが、「左手の為のピアノ協奏曲」の録音は無いようです。

 私がなぜこの曲を好きになったのか、自分なりに分析してみると、左手だけで弾くシンプルなピアノパート(といっても、ぜんぜん左手だけで弾いている様に聞こえませんが)に、いつもより、多少は複雑でない、オーケストラの伴奏が付いているので、そのあたりが、わたしの好みに合ったのではないかと思います。

 とにかく美しい曲で、良い意味でクラシックぽく無い曲ですので、是非聞いてみて頂きたい曲です。
 
 以前、ダウンビート誌だったと思うのですが、マイルス・デイビスの「カインド オブ ブルー」発表当時のインタビューを読んだら、「ピアノのビル・エバンスが、夜な夜な、色々なレコードを持って遊びに来るんだが、ラヴェルの、左手の為のピアノ協奏曲なんかを一緒に聴いているんだよ」と、言っていました。

 やはり素晴らしい曲は、時代や、洋の東西を問わず、色々な人の心をとらえるんですね。 CMS Records web site  http://cms-records.biz/

木2.jpg
posted by えんこみ at 01:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽

2013年01月06日

Hoagy Carmichael

空0.jpg
 きょうは、昨日のこの一枚 、vol.6 Charles Lloyd の「The Water Is Wide」に入っていた、「Georgia on my mind」を作曲したホーギー・カーマイケル氏について書きたいと思います。 
 あるきっかけで、彼の事を調べることがあり、そのドラマティックな人生を知りました。最初に興味をひかれたのは、「Georgia on my mind」と「Star Dust」が同じ作曲者であるという事を知った時に、二つのキャラクターの異なる曲の共通の作者が「どのような人物であったのだろう」ということからでした。
 どちらも古い、有名なアメリカのスタンダードですが、作者のホーギー・カーマイケルは1899年に生まれています。
 私の印象では「Star Dust」の方が「Georgia on my mind」よりも随分古い曲の様な感じがしていましたが、前者が1927、後者が1930年で、ほぼ同じ時期に作曲されていたんですね、、、。ここでびっくりしたのが、1930年といえば、もう80年以上も前の曲なんですよね!、わたしの印象では「Star Dust」が4〜50年前の曲で、「Georgia」が30年くらい前の曲だと思っていたんですけどね、、。
 
 カーマイケル氏はこれも調べるまでは全然しらなかったのですが、白人で、あまり裕福ではない家庭に生まれ、工場などで働きながら、音楽活動をはじめ、ピアノでお金を稼ぎつつ、そのお金で大学の法学部に通い、卒業後は弁護士になりますが、その後ほとんどキャリアを続けることなく、音楽家に専念しています。
 
 さらに私が意外だったのは「Georgia on my mind」という曲は、1930年につくられてから、すぐにレコーディングされているのですが、色々な人がカバーしていたにも関わらず、大きなヒットは30年後の1960年に、レイ・チャールズが歌うまで、無かったらしいです。
 作曲してから30年後の大ヒット、、、おそらく作曲者も予想していなかったでしょうね、、、。
 
 その後彼は、1981年に84歳でなくなるまで、年配の方ならご存知のテレビシリーズ、「ララミー牧場」に俳優として出演したり、歌手、ピアニスト、司会者としても、いろいろ活躍しています。
CMS レコード website  http://cms-records.biz/

HoagyCarmichael.jpg
posted by えんこみ at 14:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽