2013年02月11日

Ginette Neveu

ビル.jpg 今日は音楽の話題、フランス人ヴァイオリニストのジネット・ヌブーを話題にしたいと思います。
 1919年生まれですから、随分昔の人です。音楽界にはいろいろと天才神話みたいなものがありますが、この人みたいな人を、本当の天才と言うのかもしれないな〜と思ったりします。
 そしてなぜか、そう言う天才と言われる人に限って、早くこの世からいなくなってしまうんですよね、、。


 私はヴァイオリンと言えばギドン・クレーメルが大好きで、クレーメルばかり聴いていますが、けっこう他のヴァイオリニストも聴くんですよ、、。クレーメル以外で、とても関心するのは、音色なども含めて今日話題にしているジネット・ヌブーがいちばんですね。
 
 クレーメルもそうなんですが、私の感覚では歌い方というか、音楽が人間の奥の方から出ていると言うか、嘘をつかずに、自分に正直に表現、演奏している感じがするんです。これは私にとって限られた時間をつかって鑑賞する音楽のなかでは、とても重要なことなんです。
 今回久しぶりに、この人の演奏するブラームスの協奏曲をききました。
 
 この曲は非常に重厚で複雑、かつ壮大で、なかなか理解できなかったのですが、12月25日のブログに書いたとおり、グレーメルと指揮のアーノンクールの演奏のおかげで、いろいろと謎がとけて、すっきりとして、とても好きな曲になりました。
 
 ジネット・ヌブーはフランス人ですが、なぜかこの難しいブラームスのコンチェルトが大好きだったらしく、わずか十数年のキャリアのなかで、2回録音が残っています。何しろ30歳でこの世を去っているので、まだ録音が盛んでない時代に活動していたので、CDに換算して4〜5枚しか記録が残っていません。

 今日は久しぶりなので、その二枚とも(一枚はドイツでのライヴ、もうひとつはビートルズで有名なイギリスのアビーロードスタジオで録音)聴いてみました。スタジオが1946年、ライヴが1948年の録音なので、勿論モノラルですし、音質も良く無いのですが、やはりあらためて感動しました。
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 わたしは録音技術者なので、こういう事をいっては何なんですが、演奏が素晴らしいので、音質の悪さはあまり気にならないと言うか、もうどうでもいいという心境になりました(^^) 。こんな素晴らしい演奏をよく録音していて下さいました、ありがとうございますm(_ _)m 。というのが正直な気持ちですね。まあ当時の録音技術から考えれば、けして悪い質の仕事ではないのですが、、。どうしても今と比較すると悪く感じますよね (~_~) 。
 
 いつも私が言っている事なんですが、悪い演奏をいくら良い音で録っても、音楽の寂しさが、はっきり聞こえるだけなんですが、演奏が素晴らしければ、悪い録音を補ってあまりあるというか、それを陵我できるんですよね、、、。
 チャーリー・パーカーやロバート・ジョンソンの録音を聴いても、そう思います、、(^o^)/。

 音楽には「魂」がひそんでいる、ということを、こういう演奏、録音を聴くと改めて感じます。

 それにしても神様というものがいるなら、あまりにも残酷なもので、この素晴らしい音楽家(まだ30歳で!)と、名器ストラディバリ、そして彼女のお兄さんまで、飛行機事故で一瞬にして、天に召されてしまうとは、、。彼らの魂はこの世にはなくなりましたが、かろうじて、録音をきくとその息吹を聴くことができます。

 音楽の話にもどせば、わたしにとっては、クレーメルが3回録音しながら、一度も演奏、録音していないヨーゼフ・ヨアヒムのカデェンツアを聞くことが出来る貴重な演奏でもあります。
 楽器の音も素晴らしいですね、この録音でもしっかりわかります。ストラディバリもピンキリで、いろいろあるみたいですが、この楽器は良い音がしています。この音質でこの倍音の豊かさは、本当に信じられません。 ジャケット写真はライヴ盤のものです。

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2013年02月09日

Chamber Concerto for Piano and Violin with 13 Wind Instruments

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 今日は久しぶりのクラシックねた、、。久しぶりなので、ちょっとマニアックな曲について書きたいと思います(いつも結構マニアックですが ^^;)。
 取り上げる曲は、アルバン・ベルクの「ピアノとヴァイオリン、13の管楽器の為の室内協奏曲」です。

 通常協奏曲というと、ピアノとか、ヴァイオリン、とかフルートとかクラリネットとか、一台の楽器とオーケストラの共演する曲が多いんですが、意外にも複数の楽器の為につくられた曲も、沢山あります。
 
 例えば、ベートーベンはピアノとチェロとヴァイオリンの3重コンチェルト、モーッアルトはヴァイオリンとヴィオラの為のシンフォニア・コンチェルタンテ(合奏協奏曲)、かわったところでは、メンデルスゾーンのピアノとヴァイオリン、弦楽オーケストラの為のコンチェルトなんていうのもあります。もう少しかわったところでは、ショスタコービッチの協奏曲第一番のように、ピアノ協奏曲といいながら、トランペットの独奏も入ってくる曲があります。それからバルトークの管弦楽の為の協奏曲というのもありましたね、、。

 ところで、今日取り上げた曲の13の管楽器とは、木管,金管あわせて、 piccolo, flute, oboe, English horn, E♭ clarinet, A clarinet, bass clarinet, bassoon, contrabassoon, trumpet, French horn×2 tromboneです。

 なぜこのような編成になったかは不明ですが、ベルクは当時作曲の先生のシェーンベルクの50才の誕生日を記念して作曲していたそうですが、完成が間に合わなくて数年後にできたらしいです (^^) 。
 
 細かい11の楽章に分かれている曲で、全体で40分近い長さですが、楽章はほぼ途切れることなく演奏されます。

 ピアノがイニシアチブをとる部分とヴァイオリンがとる部分、二つの楽器が混じりあう部分といろいろなシーンがありましが、いわゆる12音音楽ですから、わかりやすいテーマや動機はありませんが、細かく聞いてみると、テーマと変奏、ロンドなどの手法が普通に使われています。
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 私はこの手の音楽の場合、あまりそういう事を意識すること無く、無機的な音の波に身をまかせながら聴くのも好きなのですが、何回も聴いていろいろわかって来ると、それはそれで面白くはあります。

 私はこの曲のCDを二枚持っていて、一枚はピエール・ブーレーズ指揮、ピアノがバレンボイム、ヴァイオリンがズーカーマンの盤と、クラウディオ・アバド指揮で、アイザック・スターンのヴァイオリンと、ピーター・ゼルキンのピアノによる演奏です。

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 あらためて聴いてみると随分演奏によって曲がちがう曲に聞こえるものだなと思います。いまの私の好みでは、スターンとゼルキンの演奏が好きです。
 協奏曲というと通常オーケストラが伴奏するので、大勢の弦楽器が聞こえて来るのですが、この曲は管楽器のみが伴奏で、何か風通しが良い感じで、すっきりした音楽で、心地良いです。 皆さんも機会がありましたら聴いてみて下さいね。

 ベルクはヴァイオリン協奏曲もいいですよね。
最近もう一つかわったコンチェルトをみつけましたので、次の機会に紹介してみたいと思っています。

■ Piano Perter Serkin, violin Isaac Stern  Menbers of London Symphny Orchstra,Claudio Abbado
■ Piano Daniel Barenboim, violin Pinchas Zukerman   Ensemble Intercontemporain, Pierre Boulez

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2013年01月22日

Maurice Ravel Piano Concerto for the Left Hand

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 みなさん、コレをご覧になっている方々の多くは、モーリス・ラヴェルという作曲家をご存知だと思います。

 今日お話したいのは、ラヴェルが作曲した「左手の為のピアノ協奏曲」についてのことです。
この曲は文字どおり、オーケストラのパート以外の、ピアニストが弾くパートは、左手のみで演奏されることを想定して書かれた曲です。

 なぜ、その様な変わった、演奏形態をとったのかと言いますと、これはラヴェルが第一次世界大戦で右手を失ったピアニスト、パウル・ヴィトゲンシュタイン(有名な哲学者ルートビッヒは兄)に依頼を受けて作った曲だからです。

 ラヴェルといえば、一般的には「ボレロ」をはじめとする、たくさんのオーケストラ曲や、ピアノ曲で有名な、大変優れた作曲家ですが、実は私の好みでは、あまり好きなコンポーザーではないんです(勿論オーケストラの鳴らし方の素晴らしさは認めていますよ)。
 私の印象では、どうもラヴェルさんの曲は絢爛豪華というか、音数が多く、いささか「おしゃべり」な印象で、音楽としては少し情報過多な気がして、今一つ馴染めないことが多いんです。
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 ところがこの曲を随分昔に、FM放送で聴いた時の印象は、とても良く、「何て美しい曲なんだろう!」と思いました。これは演奏に依るところも多く、その時アナウンサーが告げたピアニストのクンウー・パイク(白建宇)という人の名前もすぐ覚えてしまいました。
 
 この時の演奏はフランスの実況録音で、カセットでエアーチェック(懐かしい言葉ですね)していたので、何度も繰り返し聴きましたが、いまはもうカセットはないので聴けません。

 数年前にアンヌ・ケフェレック、ストラスブール フィルハーモニーのCDを手に入れていまして、いまはそれを聴いていますが、あの時の演奏の方が勢いがあって良かった気がします。
 他にもサンソン・フランソア、レオン・フライシャーなどいろいろ聴いてみましたが、クンウー・パイクさんの演奏を越えるものは無い様です。調べてみると、近年彼は世界的に活躍しているらしく、有名なレコード会社からも沢山アルバムをリリースしていらっしゃる様ですが、「左手の為のピアノ協奏曲」の録音は無いようです。

 私がなぜこの曲を好きになったのか、自分なりに分析してみると、左手だけで弾くシンプルなピアノパート(といっても、ぜんぜん左手だけで弾いている様に聞こえませんが)に、いつもより、多少は複雑でない、オーケストラの伴奏が付いているので、そのあたりが、わたしの好みに合ったのではないかと思います。

 とにかく美しい曲で、良い意味でクラシックぽく無い曲ですので、是非聞いてみて頂きたい曲です。
 
 以前、ダウンビート誌だったと思うのですが、マイルス・デイビスの「カインド オブ ブルー」発表当時のインタビューを読んだら、「ピアノのビル・エバンスが、夜な夜な、色々なレコードを持って遊びに来るんだが、ラヴェルの、左手の為のピアノ協奏曲なんかを一緒に聴いているんだよ」と、言っていました。

 やはり素晴らしい曲は、時代や、洋の東西を問わず、色々な人の心をとらえるんですね。 CMS Records web site  http://cms-records.biz/

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2013年01月06日

Hoagy Carmichael

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 きょうは、昨日のこの一枚 、vol.6 Charles Lloyd の「The Water Is Wide」に入っていた、「Georgia on my mind」を作曲したホーギー・カーマイケル氏について書きたいと思います。 
 あるきっかけで、彼の事を調べることがあり、そのドラマティックな人生を知りました。最初に興味をひかれたのは、「Georgia on my mind」と「Star Dust」が同じ作曲者であるという事を知った時に、二つのキャラクターの異なる曲の共通の作者が「どのような人物であったのだろう」ということからでした。
 どちらも古い、有名なアメリカのスタンダードですが、作者のホーギー・カーマイケルは1899年に生まれています。
 私の印象では「Star Dust」の方が「Georgia on my mind」よりも随分古い曲の様な感じがしていましたが、前者が1927、後者が1930年で、ほぼ同じ時期に作曲されていたんですね、、、。ここでびっくりしたのが、1930年といえば、もう80年以上も前の曲なんですよね!、わたしの印象では「Star Dust」が4〜50年前の曲で、「Georgia」が30年くらい前の曲だと思っていたんですけどね、、。
 
 カーマイケル氏はこれも調べるまでは全然しらなかったのですが、白人で、あまり裕福ではない家庭に生まれ、工場などで働きながら、音楽活動をはじめ、ピアノでお金を稼ぎつつ、そのお金で大学の法学部に通い、卒業後は弁護士になりますが、その後ほとんどキャリアを続けることなく、音楽家に専念しています。
 
 さらに私が意外だったのは「Georgia on my mind」という曲は、1930年につくられてから、すぐにレコーディングされているのですが、色々な人がカバーしていたにも関わらず、大きなヒットは30年後の1960年に、レイ・チャールズが歌うまで、無かったらしいです。
 作曲してから30年後の大ヒット、、、おそらく作曲者も予想していなかったでしょうね、、、。
 
 その後彼は、1981年に84歳でなくなるまで、年配の方ならご存知のテレビシリーズ、「ララミー牧場」に俳優として出演したり、歌手、ピアニスト、司会者としても、いろいろ活躍しています。
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posted by えんこみ at 14:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽