2013年01月22日

Maurice Ravel Piano Concerto for the Left Hand

火.jpg

 みなさん、コレをご覧になっている方々の多くは、モーリス・ラヴェルという作曲家をご存知だと思います。

 今日お話したいのは、ラヴェルが作曲した「左手の為のピアノ協奏曲」についてのことです。
この曲は文字どおり、オーケストラのパート以外の、ピアニストが弾くパートは、左手のみで演奏されることを想定して書かれた曲です。

 なぜ、その様な変わった、演奏形態をとったのかと言いますと、これはラヴェルが第一次世界大戦で右手を失ったピアニスト、パウル・ヴィトゲンシュタイン(有名な哲学者ルートビッヒは兄)に依頼を受けて作った曲だからです。

 ラヴェルといえば、一般的には「ボレロ」をはじめとする、たくさんのオーケストラ曲や、ピアノ曲で有名な、大変優れた作曲家ですが、実は私の好みでは、あまり好きなコンポーザーではないんです(勿論オーケストラの鳴らし方の素晴らしさは認めていますよ)。
 私の印象では、どうもラヴェルさんの曲は絢爛豪華というか、音数が多く、いささか「おしゃべり」な印象で、音楽としては少し情報過多な気がして、今一つ馴染めないことが多いんです。
451px-Maurice_Ravel_1925.jpg 
 ところがこの曲を随分昔に、FM放送で聴いた時の印象は、とても良く、「何て美しい曲なんだろう!」と思いました。これは演奏に依るところも多く、その時アナウンサーが告げたピアニストのクンウー・パイク(白建宇)という人の名前もすぐ覚えてしまいました。
 
 この時の演奏はフランスの実況録音で、カセットでエアーチェック(懐かしい言葉ですね)していたので、何度も繰り返し聴きましたが、いまはもうカセットはないので聴けません。

 数年前にアンヌ・ケフェレック、ストラスブール フィルハーモニーのCDを手に入れていまして、いまはそれを聴いていますが、あの時の演奏の方が勢いがあって良かった気がします。
 他にもサンソン・フランソア、レオン・フライシャーなどいろいろ聴いてみましたが、クンウー・パイクさんの演奏を越えるものは無い様です。調べてみると、近年彼は世界的に活躍しているらしく、有名なレコード会社からも沢山アルバムをリリースしていらっしゃる様ですが、「左手の為のピアノ協奏曲」の録音は無いようです。

 私がなぜこの曲を好きになったのか、自分なりに分析してみると、左手だけで弾くシンプルなピアノパート(といっても、ぜんぜん左手だけで弾いている様に聞こえませんが)に、いつもより、多少は複雑でない、オーケストラの伴奏が付いているので、そのあたりが、わたしの好みに合ったのではないかと思います。

 とにかく美しい曲で、良い意味でクラシックぽく無い曲ですので、是非聞いてみて頂きたい曲です。
 
 以前、ダウンビート誌だったと思うのですが、マイルス・デイビスの「カインド オブ ブルー」発表当時のインタビューを読んだら、「ピアノのビル・エバンスが、夜な夜な、色々なレコードを持って遊びに来るんだが、ラヴェルの、左手の為のピアノ協奏曲なんかを一緒に聴いているんだよ」と、言っていました。

 やはり素晴らしい曲は、時代や、洋の東西を問わず、色々な人の心をとらえるんですね。 CMS Records web site  http://cms-records.biz/

木2.jpg
posted by えんこみ at 01:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽

2013年01月06日

Hoagy Carmichael

空0.jpg
 きょうは、昨日のこの一枚 、vol.6 Charles Lloyd の「The Water Is Wide」に入っていた、「Georgia on my mind」を作曲したホーギー・カーマイケル氏について書きたいと思います。 
 あるきっかけで、彼の事を調べることがあり、そのドラマティックな人生を知りました。最初に興味をひかれたのは、「Georgia on my mind」と「Star Dust」が同じ作曲者であるという事を知った時に、二つのキャラクターの異なる曲の共通の作者が「どのような人物であったのだろう」ということからでした。
 どちらも古い、有名なアメリカのスタンダードですが、作者のホーギー・カーマイケルは1899年に生まれています。
 私の印象では「Star Dust」の方が「Georgia on my mind」よりも随分古い曲の様な感じがしていましたが、前者が1927、後者が1930年で、ほぼ同じ時期に作曲されていたんですね、、、。ここでびっくりしたのが、1930年といえば、もう80年以上も前の曲なんですよね!、わたしの印象では「Star Dust」が4〜50年前の曲で、「Georgia」が30年くらい前の曲だと思っていたんですけどね、、。
 
 カーマイケル氏はこれも調べるまでは全然しらなかったのですが、白人で、あまり裕福ではない家庭に生まれ、工場などで働きながら、音楽活動をはじめ、ピアノでお金を稼ぎつつ、そのお金で大学の法学部に通い、卒業後は弁護士になりますが、その後ほとんどキャリアを続けることなく、音楽家に専念しています。
 
 さらに私が意外だったのは「Georgia on my mind」という曲は、1930年につくられてから、すぐにレコーディングされているのですが、色々な人がカバーしていたにも関わらず、大きなヒットは30年後の1960年に、レイ・チャールズが歌うまで、無かったらしいです。
 作曲してから30年後の大ヒット、、、おそらく作曲者も予想していなかったでしょうね、、、。
 
 その後彼は、1981年に84歳でなくなるまで、年配の方ならご存知のテレビシリーズ、「ララミー牧場」に俳優として出演したり、歌手、ピアニスト、司会者としても、いろいろ活躍しています。
CMS レコード website  http://cms-records.biz/

HoagyCarmichael.jpg
posted by えんこみ at 14:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽