2014年01月22日

今年初 GGの つづき のつづき、ラスト・レコーディング vol.23

22-1.jpg


 一旦書き出すと、続く音楽ネタ、、。 ヒドいときは5日も6日も続くときがありますが、きょうはグールドの3日目、、、。でも今回は、Glenn Gould のカテゴリーではなく、「この一枚」で取り上げたいと思います。 それはなぜか、、、? 

 昨日ちょっと書いた彼のラスト・レコーディング、実は私、最近まで、お恥ずかしい事に、一度も聴いたことがありませんでした、、(>_<) 。

 一般には死後発表されたバッハのゴールドベルク変奏曲の2回目のスタジオ録音が、「ゴールドベルクにはじまり、ゴールドベルクに終わる、、、」的な扱いで、大々的に宣伝され、話題になっていたので、「最後の録音、ゴールドベルク変奏曲、、」というイメージがついてしまっていて、実はその後にピアノの演奏では、リヒャルト・シュトラウスのソナタがあり、彼の指揮に依る、ジークフリート牧歌(13人編成の管弦楽)の録音が生涯最後の演奏録音であるということは、あまり知られていません。

 私はこの貴重なグレン・グールド人生最後の音楽活動の記録を聞いて、とても大きな感銘を受けました。 もう30年あまりグールド氏の音楽を聞いてきて、ほとんどの録音をアルバムで、手に入れていながら、このラストレコーディングおよび、最後の正式なアルバムである、この作品を、最近まで聞くこと無く、時間が過ぎていたことに、グールド氏に申し訳ないという気持ちが、決して個人的な知り合いでもないのに、しています。

 
22-2.jpg


 この13人の管弦楽による、ジークフリート牧歌(ワーグナー、オリジナル版)の演奏は、独特のゆっくりしたテンポで奏されていますが、まるで、演奏家たちが、文字どおり、グールド氏の手足、、いや指の一本一本になったかのような一体感をもって、アンサンブルに臨んでいます。 一部最近の高性能なオーケストラや室内楽を聞き慣れた耳には、おやっと思う箇所もないわけではありませんが(特にホルン)、おおむね素晴らしい演奏で、質の良い録音と相まって、良質な室内楽作品として、仕上がった演奏です。 
 惜しむらくは、グールド氏の指揮した演奏が、この世にただこの一曲、、というのが、はかない、、ということでしょうか?。 

 もしその後に存命していたら、どのような録音を残していたのだろう、、、という想像力をかきたてられます。
 
 そのかわり、といってはなんですが、他に3曲の4手(多重録音による2台ピアノ)のためを含む、グールド氏自身の管弦楽のピアノ版編曲が、入っているというのが救いになっています。 こちらの方は、70年代の録音ですが、ピアノ編曲で奏でられるジークフリート牧歌もとても興味深い演奏です。
 テクノロジーを使う事に長けていたグールド氏が、満を持して臨んだピアノの多重録音ということにもなるわけですが、からくもラストアルバムになってしまったこのCDですが、彼のやりたい事、音楽観がよくわかる、優れたアルバムだと思います。

 
22-3.jpg



WAGNER: Glenn Gould Conducts & Plays Wagner
Siegfried Idyll, original chamber version.* Piano Transcriptions (Gould): Die Meistersinger, Prelude to Act I; Götterdämmerung, Dawn & Siegfried's Rhine Journey; Siegfried Idyll
Glenn Gould, piano, piano 4-hands (overdubbed), conductor; members of the Toronto Symphony
Sony Classical SK 46279 (CD only). Kevin Doyle,* Kent Warden, Frank Dean Dennowitz, engs.; Glenn Gould,* Andew Kazdin, prods. ADD. TT: 71:0051-hyVQOyLL._SL500_AA300_.jpg

















 CMSレコードのアルバムが全て、web site ネットショップへのリンクからご購入頂ける様になりました。お好みのアルバムを是非ポチッと、、。You Tube による試聴リンクも NEWS のページにあります。


CMS Records web site  http://cms-records.biz
posted by えんこみ at 22:07| Comment(0) | TrackBack(0) | この一枚
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/85771488

この記事へのトラックバック