2014年01月22日
今年初 GGの つづき(昨日のブログ)
どんなに、崇高な、思想と素晴らしい素質を持っている芸術家と言えども、「経済」と無縁でいられるという人は滅多にいないものです。 それは、グレン・グールドとて同じ、、、。 通常の演奏家の生活というものは、演奏活動及び教育活動などをして、報酬を得る、、、というところから、成り立っています。 芸術に貢献しながらも、いかにして、効率よく稼ぐか、、、という命題のもと、人生の限られた時間をやりくりしながら、ある種の綱渡りをしている、、というのが、ほとんどの有能、、?あるいは有名演奏家(音楽家)の実態である、、ということは知っていて無駄な事ではないと、私は思います。
教鞭をとる、公開の場で演奏する、、いってみれば、それらは、パフォーマンスであり、ほとんどの職業がそうである様に、現場で何かをすることによってのみ得られる、金銭獲得の手段であるわけですが、レコーディングという現代の錬金術を利用すれば、演奏、録音した音源がメディアの力によって知れ渡り、人々が興味を示し、運が良ければ、製品は量産され、お金が入って来る、、、という目にあえることもあるわけです。 能力、才能、人気などを制作者側が評価し、表に出る事ができたグレン・グールドという人は、そのような、稀に見るクラシック演奏家のスターとしての地位をえた、、。
大方の芸術家が音楽、芸術、哲学、慈善運動?など、興味の対象が、旧態然とした、人間性にもとずいたものであるのに対して、グールド氏は、メディアの仕組み、、、すなわちテレビをつかって何ができるか、、録音技術をつかってより良い音楽作品をどのようにしたら、制作できるか、、など、後のヘルベルト・フォン・カラヤンの手法を先取りするかの様な活動に熱心に取り組んでいました。 演奏活動と並行して、自らホストをかってでた、音楽テレビ番組、、演奏やその他の事実を取材したドキュメンタリーなど、演奏家としては、異例の形での音楽活動は次第に、個人的な表現を極める方向にむかい、ついには公開の場での演奏活動を停止するという革新的な手法、、? というか、ある意味暴挙、、、?を決行するに至るわけです。
極若い頃から、35歳で、ピアニストを引退し、作曲に専念する、、というコメントをしていたグールド氏ですが、そのことを実行することは無かったまでも、コンサートという、ほとんどの演奏家にとって、唯一の表現手段である発表の場を放棄した、ということは、彼にとって、必然的な流れだったのかもしれません。 本人は全く自身の死を予測していなかったであろうなかで、録音された彼の最後の作品は自らオーケストラを指揮した管弦楽曲でいした。 50代前半の彼は、もしかしたら、今後はピアニストではなく、指揮者としての活動をメインに据えていたのかもしれません。
作曲という、演奏とは全く違った意味をもつ、音楽を創造する行為に、あこがれをもちながらも、幾つかの作品や、コンチェルトのカデンッアを除いて、多くの作品を公開しなかったグールド氏は、そのことについて、どのように考えていたのでしょうか、、。
わたしは、ここへ来て、彼の録音作品はたくさん知っているが、彼自身が書いた、評論や、意見をまとめた書簡などをあまり読んでいないので、その内容を知りたくなってきました。
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