2013年11月12日

Gidon Kremer Plays Milhaud, Vieuxtemps, Chausson & Satie vol.21

12-1.jpg


 今日は久しぶりの「この一枚」ということで、ヴァイオリニスト、ギドン・クレーメルのフランス音楽のアルバムを取り上げてみたいと思います。

 クレーメルといえば、旧ソ連のラトビア共和国出身、母親のお父さんつまり、おじいさんはドイツ系のカール・ブリュックナーという人、母親は、フィンランド系、お父さんはユダヤ系ということで、子供の頃から、家庭ではドイツ語を使っていたらしく、ホームランゲージはドイツ語。なので、ドイツ音楽がいちばん理解し易いというか、音楽をドイツ語の頭で自然に考え、発想し、表現しているのだと思います。
 なので、いろいろな音楽を演奏、録音している彼ですが、当然、バッハやベートーベン、シューベルトなどはたくさん録音しているわけですが、フランス音楽はあまり演奏していません。

 そんなクレーメルがあえてフランス音楽に取り組んでいるアルバムがあります。ミヨー、ヴェータン、ショーソン、サティーなどの曲をやっています。オーケストラはロンドン響、指揮は イタリア人、ラテン系のリカルド・シャイーです。

 なかでも、ミヨーやヴェータン、ショーソンの曲はヴァイオリンのレパートリーとしてはコテコテのフランス近代の代表的な曲。随分前に最初にレコード店で見た時には、一体どんな演奏を、、、?という少し不安のようなものを感じて、すぐには手に入れませんでした。レーベル=レコード会社はフィリップスということで、それほどバカな事はないだろうとは、思っていましたが、、。

 実を言うと、フィリップスからはクレーメルのフランスものの2枚のアルバムがLP時代に出ていて、一枚が、オーケストラとの共演、もう一枚が、当時の夫人、ピアノのエレナ・バシュキローバとの共演で室内楽という内容でした。それが、CDの時代になってから、いろいろな音源の組み合わせで、二つのアルバムからいろいろなオムニバス・アルバムとなって発売されています。


12-2.jpg


 室内楽ものはミヨー、ラベルなどと、ストラビンスキーとプロコフィエフが入ったディスク、ストラビンスキーをぬかして、オーケストラとの共演の曲をカップリングしたものなど、、。ここに取り上げているのはオーケストラとの音源にサティーとミヨーのピアノ伴奏の室内楽の音源を組み合わせたものです。

 演奏の内容の方は、クレーメルの、フランス人もビックリ!という名人芸のてんこ盛りで、ラテン系の情熱とユダヤ系、ドイツ系の緻密さが程よくミックスされた、ダイナミックかつ、きめの細かい表現が際立っています。
 クレーメルの左手がよく動くのは誰でも知っている事ですが、弓のコントロールは古いフランス系のテクニックを意識したのでは、、、というような節回しで、本格的なフランス物の演奏の雰囲気があります。

ショーソンのポエムなどは、コンクールなどでよく取り上げられる曲なので、クレーメル氏も良く知った曲なのかも知れませんが、弓の運びとともに、いつもながら自在なビヴラートを駆使した表現はヴァーチオーゾの風格がありありで、録音が新しく無ければ、ジャック・ティボーかと見紛うばかりの、器用さです。

 このアルバムでは、クレーメル氏が普段見せない、器用な職人技を、コレでもかと見せつけてくれます 、、、(^_^;) 。フランスのバイオリン音楽が好きな方、クレーメルはちょっと、、、という方にこそ、聴いて頂きたい一枚です。

12-3.jpg


s24516916.jpgVieuxtemps: Fantasia appassionata pour violon et orchestre, op. 35. Chausson: Poème, op. 25. Satie: Choses vues à droite et à gauche (sans lunettes).

Riccardo Chailly (Conductor), London Symphony Orchestra (Ensemble), Elena Bashkirova (Performer) and Gidon Kremer
(Performer) Label: Philips Silverline Classics UPC: 028943251327

CMS Records web site  http://cms-records.biz
posted by えんこみ at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | この一枚
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/80517233

この記事へのトラックバック