2013年08月25日

高橋悠治 Sonatas and Interludes for Prepared Piano John Cage vol.18

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 7月29日以来の「この一枚」。エンジニア小宮山が、おすすめする。アルバム紹介のコーナーです。

 ジョン・ケージという作曲家は、音楽史などで、現代を代表する作曲家の一人として、よく出て来る人ですが、その音楽を実際に聴いている人は,意外に少ないですよね、、。
 
 今日取り上げる「プリペアード・ピアノの為のソナタとインターリュード」はプリペアードピアノといって、普通のグランドピアノの中、つまり弦に大小のボルトや、ネジ、ナットや、ゴム片、消しゴム、プラスチック片などを挟み込んだり、接触させたりして、打楽器的な音が出る様に、細工した(プリパレーションした)ピアノで演奏することを前提に、つくられた曲です。
 作曲者がこまかく指定した調律と、挟み込む物と、挟み込む物を設置する位置を正確に指定通りに再現してから、演奏をする必要がある曲で、この曲を演奏、録音することは、けっこう面倒な作業になります。
 比較的短い小品のソナタとインターリュード、20曲からなり、演奏時間は一時間ほど、、。音楽的な作風は、現代音楽独特のというか、ありがちな、トーン・クラスターや、12音音楽的なアプローチは全くなく、とても大雑把に言ってしまえば、ミニマル的、環境音楽、、、的な、穏やかな音楽です。

 私がこの音楽を聴いたのはもう40年近く前、今日とりあげた高橋悠治氏の演奏によるLPレコードを手にいれたのが、きっかけでした。それから後、十年後くらいに、友人の打楽器奏者の家に遊びに行く時に、このLPをもってゆきました。そこでレコードプレーヤーの上にのせ、かけると、友人が怪訝な顔をしていました。「どうしたの?」と尋ねると、初めて聞いたこの曲ですが、どうもこのプリペアード・ピアノの調律は、ガムランの音律とそっくりだ、というのです。たしかに言われてみれば、調子外れの音、同じフレーズの繰り返しが続き、すこしづづ変化してゆく、楽想はバリのガムランによくにています。

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 その後しらべてみると、この曲はケージが舞台で、演劇の音楽を演奏する為に、ガムランのアンサンブルを使おうと思ったのですが、スペースの関係で、ガムランのアンサンブルが置けないことがわかり、ピアノの調律と、プリパレーションで、その代用を試みたのがきっかけで、できた曲であることがわかりました。
 友人の打楽器奏者の耳の良さにも関心しましたが、ガムランのアンサンブルを、ピアノで再現するという、発想もかなり斬新なことですね、、。ところが、このガムランの話は、この曲について書かれた文章がたくさんあるにもかかわらず、ほとんど出て来ません。どうしてなのでしょうか、、? 理解できません (・_・;) 。ここが面白いところなのに、、。

 このアルバムを演奏している高橋悠治氏は、何時間もかかって、自分で、作曲者の指定どおり、プレパレーションして録音に臨んだそうです。録音は黎明期のデジタル・レコーディング。44.1kHzの14ビットで行われています。大音量で聴くとデジタルの変調ノイズが目立ち、時代を感じさせます。  音楽の内容は、最近の私の関心事、暑いか、涼しいか、と言われれば、涼しい音楽です。このアルバム、この夏初めて聞いたのですが、もっと早く聴けばよかったです、、 ( ´ ▽ ` )ノ。

 この曲は意外にもいろいろな演奏者で、アルバムが出ていますが、高橋氏の演奏は大変素晴らしいと、私は思います。

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Recorded in Dec 1975 Colombia Studio Japan
Engineer Masao Hayasi COCO-70757

CMS Records web site  http://cms-records.biz



posted by えんこみ at 22:31| Comment(0) | TrackBack(0) | この一枚
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