2013年05月31日

録音機材の移り変わりと、音楽 6 。

1sora.jpg


 録音機材の移り変わりと音楽について、5日にわたって書いてきましたが、テクノロジーの進歩によって、やがてテープレコーダーはアナログからデジタルへ、そして、ついにテープレコーダーの時代から、ハードディスクなど、コンピューターやいわゆる、非接触メディアを使った録音へと、時代は変化してゆきました。

 「非接触メディア」というのは、具体的にどういうモノなのかと説明すると、アナログのレコードプレーヤーやテープレコーダーは、レコード盤や録音テープなどに、レコード針や、ヘッド(テープに磁気を記録する部分)を直接接触させて、書き込みや読み出しを行う方法をとっています。つまりテープレコーダーは常に読み取りのために、テープとヘッドがくっついていて、少しづつですが、どんどんテープにコーティングされている磁性体がこすれて、傷つき、削れています。したがって当然ある程度使うと、削れた分、音質が変わってしまいます。最悪の場合はダメージをうけたテープが切れてしまうということもあったわけです。レコード盤も同じ様に何回も聞くと、だんだんパチパチという雑音が増えてきます。

1 kren.jpg


 これらの記憶媒体の摩耗による音質悪化を防ぐ為に考えられたのが、CDやMD、ハードディスクなのです。これらは、データの書き込みや読み取りをする為に、メディアに何かを接触させる事をせず、非常に接近した距離ながら、一切触れることなく可動させることによって、媒体の削れ=摩耗による経年変化をゼロにした画期的なものでした。これにより、機械部分が機構的にも物理的にも負荷がかかりにく、メインテナンスの必要もほとんどなくなりました。これは音声の記録をアナログ方式から記号に変換するデジタル方式にかえる事により実現したわけです。

 エンジンやモーターなどは、未だに常に摩耗との戦いであるのに対して、録音の分野では「非接触メディア」が、「すりへらない媒体」として、長年の人類の夢を実現したわけです(ビデオなど映像の分野ではまだテープ媒体が使われていますが、、)。

 これらの素晴らしい新しいメディアの開発は目を見張る物がありますが、問題点がないわけではありません。

 未だにアナログレコードを愛聴し、最新のテクノロジーを使って作られた音楽より、一昔、いや何十年も前の音源の方が音楽的で音質的にも癒されるとして、それを繰り返しきいている音楽愛好家がたくさんいます。

 これまでの歴史を振り返ってみて、信じられない程の画期的なテクノロジーを持ってしても、「良い音楽を作り上げると言う事は、並大抵の事ではない、、」という事を、制作者側に立って、改めて痛感する今日この頃ではあります。

1biru.jpg

CMS Records web site  http://cms-records.biz
posted by えんこみ at 01:12| Comment(0) | TrackBack(0) | エンジニアの独り言
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/68628349

この記事へのトラックバック