2013年05月24日

武満 徹 秋庭歌一具  伶楽舎 この一枚 vol.15

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 今日のこの一枚は、珍しく日本の音楽のCDを取り上げてみたいと思います。

「秋庭歌一具」英語の題名は、In an Autumn Garden、武満徹氏の作品、演奏は雅楽家の芝祐靖(しば すけやす)率いる伶楽舎(れいがくしゃ)です。

 このアルバムに記録されている音楽は一般に、「雅楽」と言われている音楽に近い、、というか、雅楽に使われている楽器の為に、作曲家の武満徹氏がつくった曲です。 
 雅楽というと、我々現代の一般の日本人にとっては、結婚式の時の音楽、、(^_^;) くらいにしか説明ができない程、縁が薄い音楽ですよね。なので、改めて、雅楽という音楽がどんなものか、とんでもなく簡単にですが、少しだけ書いてみたいと思います。

 現在「雅楽」と呼ばれている音楽は約1300年くらい前に大陸及び、ベトナムなどから伝わったと言われていて、当時の現地では、儀式や宴席で、演奏されていた音楽だと言われています。
 その後日本では、宮中や神社、仏閣などで演奏されてきたようです。

 踊り(舞)を伴う物と、器楽だけの曲があり、使用される楽器は、龍笛(りゅうてき)、笙(しょう)、篳篥(ひちりき)、高麗笛(こまぶえ)等の管楽器、鉦鼓(しょうこ)などの金属の打楽器、それと太鼓、鞨鼓(かっこ)などの皮を張った打楽器、それに琵琶の類が主な使用楽器です。

 
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 なにしろ西洋で言うバッハなどのバロック時代ですら、わずか300年くらい前、ベートーヴェンやモーツァルトはそれより新しいわけですから、雅楽が出来上がった時代は1000年以上前になるわけで、それとは比べ物にならない程古いわけです。先ほど「日本の音楽」と書きましたが、雅楽で使われる楽器のほとんどは、中国(唐時代)や朝鮮(高麗時代)に現地で使われていた楽器で、演奏される曲もほとんどがその時代の曲です。古い時代の楽器ですから、構造はとても原始的なので、何とも素朴というか、現代の楽器から比べると、とても不思議な響きがします。

 今日ご紹介するアルバムの音楽は、まさに「いにしえ」の楽器とその奏法を使って、現代人の武満徹という人が作った「作品」なわけです。

 私は一時期雅楽にかなり強い興味を持ち、いろいろ聞いてみましたが、今日とりあげた「秋庭歌一具」という曲は、演奏者違いで2枚のCDをもっています。もう一枚のアルバムは演奏団体が違って、「東京楽所」が演奏していますが、同じ曲にもかかわらず、演奏している環境が全然違い、音質が全く違うので、別の曲の様に聞こえます(そちらはそちらで私は好きです)。今日取り上げたアルバムはサントリーホールでのDSD収録で、マルチチャンネルのSACDヴァージョンの製品もでています。

 この音楽は、雅楽として、昔の音楽の資料的な音源ではなく、気軽に聞ける環境音楽として、何故か心地よい空気が流れて来るような音楽です。久しぶりに聴いて思ったのですが、これからの暑い夏のじめじめした季節を涼しく過ごす、癒しのBGMとしても楽しめる音楽ではないでしょうか。
 この曲はなぜか、ドイツグラモフォンからも、宮内庁式部職楽部の演奏でもアルバムがでていて、今日とりあげた他の2枚も含め、いずれも宮内省の関係の演奏家達が演奏しています、、、これって派閥争い、、、? (^_^;) 。

34926378.jpgSONY RECORDS INTENATIONAL SICC 85  
プロデュース 西脇義訓  
録音2001年 4月30日5月1日 エンジニア 福井末憲






CMS Records web site  http://cms-records.biz
posted by えんこみ at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | この一枚
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