2013年05月18日

こんなんもあります、クレーメルのアルバム

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 久しぶりのギドン・クレーメル、ネタ。せっかくヴァイオリンの名手、G・クレーメルのブログ上の分類カテゴリーをつくっているので、これからは、ちょくちょく彼のアルバムの事について、取り上げてゆきたいと思います。

 このクレーメルという人、世界的な人気に比べて日本ではイマイチそれにふさわしい評価が得られていない気が、私にはしています。
 震災直後の日本公演では、大方の有名演奏家が軒並みコンサートをキャンセルしていたにも関わらず、予定どうりに日本国内をまわってくれました。
 でも残念ながら、私の行った九州熊本と福岡の公演は半分も、お客が入っていない有様で、残念であるやら、日本人として恥ずかしいやら、、、どうもなんだかな〜(最近このフレーズ多いですネ)という感じでした。

 世界最高のバイオリニストと言われて久しいクレーメルですが、日本の(あえて書かせていただきます)ミーハーなクラシックファンには、いささか高尚すぎるというか、全く聴衆に媚びない姿勢を貫いているので、それが災いしている部分でもあるのかもしれませんが、私としては、その姿勢が素晴らしいんですよね、、。理想の芸術家というのはああいうものではないかと、、思うのです。

 これは調査した訳では無いのですが、これまでに出したアルバムは恐らく150枚以上で、おそらくは、クラシックの演奏家で、ここまでの数を出している人はほとんど居ないのではないかと思います。おバカなファンの私は、それらのほとんどを手に入れてしまいました。べつにコンプリートコレクションを目指しているわけではないのですが、自然に集まってしまうんですよね、、。

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 というのは、彼が選ぶレパートリーがとにかく、知らない曲ばかりなんです。もちろん中にはベートーヴェンとかブラームスとか有名な作曲家の有名曲もあるのですが、ほとんどが隠れた名曲というか、未知のレパートリーに挑戦している事が多いです。
 音楽関係者としては、素晴らしい演奏家が自分の意志で取り上げた未知の曲をどのような演奏で仕上げているのかは、とても気になるところです。

 今日取り上げるのは、「Arthur Lourie」の作品集。レコード会社はドイツグラモフォンで、とてもメジャーな会社です。良く出したなこのアルバム、、今なら出ませんよね、こういう売れにくいアルバムは、、。

 このアルバム大きく分けて3曲の作品が収録されていますが、クレーメルの参加しているのは一番長い曲、3曲目のヴァイオリン独奏と、弦楽合奏の為の協奏曲 「Concerto da Camera」(約32分) だけです。
 もちろんクレーメルの参加していない曲もとても興味深い曲です。ルリエは帝政ロシア末期から活動していた作曲家で、当時の様々なイディオロギーのもと、ロシア→ドイツ→フランス→アメリカと居留地を転々と変え、独特な活動をしていた人の様です。現代においては、一般にほとんど忘れられていた作曲家で、このアルバムのリリース(1992)前後、クレーメルがコンサートでも取り上げ、再評価されたようです。

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 彼の音楽は一言で言うと、「誰にも似ていない」という感じ、、。あえて言えば、30年後くらいの、バルト三国の作曲家たちに少し似ている作風で、メロディアスでいて、無調的、それでいて、12音的ではなく、民族音楽の様な旋法も感じられますが、きわめて無国籍な作風です。静かな美しさに満ちた曲ですが、第一楽章の最初からヴァイオリンの無伴奏ソロで始まるという、異例の形式を持った曲です。かなり多くの時間をヴァイオリンソロあるいはもう一台のヴァイオリンやチェロなどとの2声重奏が占めており、いわゆるトウッティーでの演奏シーンはとても少ない変わった曲です。今回聴いていて、同時代のロシアの作曲家、プロコフィエフの無伴奏バイオリンのソナタのある部分とそっくりなフレーズを発見しました。これは何か意味がありそうです。どなたかご存知に方、教えて下さい!

 アルバムの音質も素晴らしく、デジタルの長所をうまく生かした、クリアーな音質です。DGの音はこの頃が一番良かった気がします(^_^;) 。

Arthur Lourié (1892-1966)

1. A Little Chamber Music 8:17
Thomas Klug - solo violin
2-5. Little Gidding 14:02
(Four Intonations for tenor with Instrumental Accompaniment on text by T.S. Eliot)
Kenneth Riegel - tenor
6-11. Concerto da Camera 31:53
(for Violin Solo & String Orchestra)
Gidon Kremer - violin

Recording Wiesbaden,Friedrich-von-Thiersch-Saal,6/1922
Exective Producer Wolfgang-Stengel
Recording Producer Peter Laenger
Tonemister Rainer maillard
Recording Engineer Klous Behrens
Editing Peter Laenger

Deutsche Kammerphilharmonie
DG 437 788-2 (1993) Made in Germany

CMS Records web site  http://cms-records.biz
posted by えんこみ at 02:54| Comment(0) | TrackBack(0) | Gidon Kremer
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