
先日とても期待して購入した、ブーレーズ cond、内田光子 p、テツラフ vlnのベルクのアルバムが、それ程面白く感じなかったので、少なからず落胆しました(いまめげずに聞き込み中ですが)。
購入して、まるで子供の様に、悦び勇んで、CDをプレイする瞬間は、とてもエキサイティングですが、内容に不満があると、勝手なもので、子供から、すぐ大人にもどって、気難しくなります。人間て、おかしな物ですね、、。
そんなわけで、実は最近また購入した、廉価な中古CD、あまり期待せず、軽く一週間放置しておりました。中古といっても、これはリリースされてまだ一年もたっていません。
以前から出ていた音源CD3枚分をセットにしたもの。グレン・グールドの若かれし頃(1958〜66)の演奏で、ベートーベンのピアノコンチェルト1〜5番。
5曲、CD3枚分が定価1500円くらいのものを、中古で800円くらい、、デフレ値段ですな〜、、。これなら一杯飲むのをガマンすれば買えます、、のみ屋さんを経営しているみなさん、ゴメンナサイm(_ _)m。
やっと一枚目を聴いてみて、、、これは結構面白かったです。一枚目にはNo.1と4のコンチェルトが入っているのですが、ナンと、一番のハ長調 op.15は一楽章と三楽章のカデンッアをグールド自身が、作曲しています。
これは知らなかったですね、、。生前彼は、30を過ぎたら「ピアニストを引退して作曲家になる」という発言をしていましたが、実際にはピアニストを続けながら、数曲の作品を残しただけでした。
一楽章のカデンッアは少しフーガ風、なかなか複雑なものです。ピアニストが余儀で作った物とはちがう、りっぱなものです。
三楽章のカデンッアはベートーベンの後期ピアノソナタ風で、短いながらも印象的で、二つともベートーベンのオリジナルと比べても遜色のあるものではありません。
しかしこの一番のコンチェルトの一楽章ははテンポが速いです。私が聞き慣れているベネディッティミケランジェリの、やや標準よりゆっくりした演奏の、倍近いスピードです。
今日、ある脳科学者の人が、人間の脳は「知らないもの、初めて出会う物に触れると、より多くのドーパミン(快感物質)が分泌される」と、ある雑誌に書いているのを見ましたが、このグールドのカデンッアは私の脳みそに良い刺激を与えてくれましたね、、。 ピアノの調律は結構くるっていて、気にならなくも無いですが、演奏はいきいきしていて、楽しめますね。
他の二枚を聴くのが楽しみです。
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