こんにちは、CMSレコード、エンジニアの小宮山です。
みなさん、グレン・グールドというピアニストをご存知でしょうか? ジャズ系の音楽をお聴きの方にも、知っている方が、いらっしゃるかもしれません、、。クラシックの世界では有名な人で、沢山のアルバムが出ています。
この人の変わったところは、14歳から演奏活動をしているのですが、30歳の頃からコンサート活動をやめて、50歳で亡くなるまで、一切の公開演奏をせず、レコーディングに専念してしまったことです。
バッハの演奏で有名な人で、ほとんどの鍵盤楽器の為の曲を録音していますが、その他の作曲家の作品も、いっぱい録音しています。
とても個性的な音楽性と、演奏スタイルで、何かと話題が多い人で、彼に関する本もたくさん出ていて、評論や彼自身の著作、書簡集なんかも出ています。
演奏家、音楽家というより、文化人、芸術家という感じで、特殊な位置にいる人物と言えるでしょう。
私のまわりにもグールドファンを自認する人がいますが、意外と音楽より、評論など本を通じての知識、情報が多い人が多い気がします。中にはグールドってバッハ以外にも録音していたんですね、、、なんて言う事をいう人も居ます。
私は仕事柄、詳しいせいもありますが、ファンならば、もう少し、音楽そのものを聴いてほしい気がします。
ここに取り上げるのは、数年まえに初めてCD化された、モーツアルトとシェーンベルクのピアノ協奏曲で、彼が演奏活動をやめる2年前の録音です。
この演奏を聴いて、私が感じるには、後の多くのスタジオ録音に比べて、調律の違いもあるかと思いますが、ピアノの音色が、明るく澄んでいて、良い意味で、グールドらしく無く、閉じた孤独な感じではなく、多少普通な (^_^;) 、外に開かれた感じの音楽を聴く事ができます。
このアルバムでは、選曲のカップリングこそ、とても珍しいものですが、モーツアルトにしろ、シェーンベルクにしろ、素直な、というか、グールド独特の突飛な表現や、変わったアプローチを感じない、正統的な雰囲気の演奏をしています。
シェーンベルクのコンチェルトは、あまり演奏されない曲ですが、私が知っている、ブレンデルや内田光子さんの演奏と比べても、良く練られた解釈で、技術的にも素晴らしく、指揮のWalter Susskind氏の裁量もあるのでしょう、とても説得力のある演奏になっています。
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Glenn Gould; Walter Susskind: CBC Symphony Orchestra
