2019年12月16日

企業の力と、個人の力

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 昨日はGidon Kremer 氏の2015年に録音された作品について、「この一枚」、、ということで取り上げましたが、あのアルバムが発売されているのは、ドイツの名門レーベル、、というか、大手のレコード会社グラモフォンからなのですが、実はそのグラモフォンは、あのアルバムの音源の制作には一切関わっていません。

 つまりあの企画はGidon Kremer 氏の発想の元、彼の信頼するプロデューサー兼エンジニアに音源制作を依頼し、録音と編集、そしてミキシングとマスタリングを経て、Gramophon 社に音源が持ち込まれて、彼らの手によってプレスや、印刷物の手配が行われて、製品化された、、という事なのだと思います。それか、もしかしたら、すべての工程をKremer 氏側が執り行い、流通販売のみをユニバーサルグループ(Gramophon 社)が行っているのかもしれません。

 昔の音楽アルバム制作は、企画から始まり、演奏者の選択やレパートリーそして録音編集など、いわゆる、レコード会社のスタッフによって行われていました。レパートリーの選択は、より人気がある曲、そしてその人気がある曲を、人気がある演奏者の組み合わせで録音制作して、聴衆(レコードユーザー)にとって、魅力ある商品をつくり、潤沢な広告費を使い、できる限りのパブリシティーのもと、それなりの数の商品を世界で売りさばく、、というやり方だったわけです。

 もちろん現代でも、それに近い製作及び販売方法である程度の利益を出している会社もあるとは思いますが、世界的なレコードビジネスの停滞は、以前の何分の一の数しか販売成績を望めないので、同じようなやり方で、商売を成立させることが難しくなってきました。

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 そういった状況の中、発売すればある程度の販売成績を見込める、巨匠演奏家であるGidon Kremer 氏は、レコード会社のお仕着せのレパートリーや共演者の選択を極端に嫌う自意識の強い、演奏家ですから、自らの企画で音源を制作し、レコード会社に持ち込む、、ということを、随分前から実行しています。

 これは以前のように会社組織でなければ購入できないような、高額な機材を使わなければ高音質な音源制作をすることができない、、というわけではなく、そして、昨今のレコード会社の人材不足や、経費の節約傾向、、といえばきこえが良いのですが、つまり簡単言って仕舞えば、、渋ちんの制作方針の為に作品の質を落とさなければならないということを、避けるために、賢い音楽家の文字通り賢明な選択なのです。

 音源の制作費というものは、特に小編成の録音の場合、わずか数人のスタッフで行えますし、録音後の工程は演奏者と同じくらい音楽を理解することができる、演奏者が信頼するスタッフだけで純度の高い作業を行えるというメリットもあり、このような制作スタイルは今後増えてゆく傾向にあるのかもしれません。

 ただ、クラシックの演奏家の場合、多くの演奏家がコンサートや教育活動が主で、それほど音源の制作に関わった経験がない人が多いので、誰でも Kremer 氏のようなやり方で、質の高い作品を創りあげることができるとは限らないとは思います。 
 彼の場合、今までにたくさんのレコード会社で、150枚以上のアルバムを作ってきていますので、その工程、各会社のやり方、スタッフやプロデューサーとのコミュニケーションを通じて、いろいろな経験をしているでしょうし、どのようにしたら、良い作品ができるのか、どのようなスタッフと仕事をすべきなのか、、ということを、よく知っていると思うのです。

 総じて言えば、音源というものは、会社組織がお金を出して、造っているとしても、その現場では会社の力ではなく、個人の能力が発揮されることでしか、良いものは出来上がらないということを経験的に知ってしまったということが、彼の音源制作のやり方の裏付けに成っていると同時に、最高の音源をレコードビジネス停滞の昨今、できるだけ少ない経費で制作するノウハウを手に入れて、企業のためにではなく、世界の聴衆のためにそれを実行しているというところが、彼の音楽家としての素晴らしさの一翼を担っているとおもいます。

 今日のブログの写真は昨日の昼間撮影したものです。

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blanc de blanc Live  バー ブラン ド ブラン ピアノメインテナンス記念 Duo Live (終了しました。)

9月23日月曜祝日 20:00 〜
出演 細川正彦 piano Emma Arcaya flute

〒900-0033 沖縄県那覇市久米2丁目19−1

電話: 098-943-9955




フルートパラダイス in Kumamoto レストラン & ライブバー キーブ (終了しました。)

10月29日火曜日 20:00 〜  
出演 小島のり子 大元 薫 flute 細川正彦 piano 明日正就 bass 武本強志 drums
096-355-1001
 〒860-0806 熊本県熊本市中央区花畑町11−14 電話: 096-355-1001



辻 元重 g 細川正彦 p Duo Live in Jazz inn Okura (終了しました。)

10月30日水曜日 20:00 〜  

〒860-0848 熊本県熊本市中央区南坪井町1−12 096-325-9209


ピアノトリオ Live in 徳之島 A-HOUSE

11月21日木曜日  20:00 〜   (終了しました。)

出演 高尾英樹 Bass 川原大輔 Drums 細川正彦 Piano

〒891-7101 鹿児島県大島郡徳之島町亀津7315
電話: 0997-83-2981


CMS Records web site  http://cms-records.biz






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 アーティストの活動を紹介する テレビ番組「美の鼓動」( 九州産業大学提供 テレビ西日本制作 ) にCMSレコード主宰 ピアニスト細川正彦が出演しました。放送は九州のみで、2016年3月20日(日曜)午前11時45〜で終了していますが、オンエア後は、このYouTube の→「美の鼓動」 か、放送局(フジテレビ系 TNC テレビ西日本)のホームページ(http://www.tnc.co.jp/kodou/ )で見る事ができます。

  CMSレコード最新作、伊澤隆嗣 as,ss Quartet 「In a Spring Time」の試聴用 PVができました!。好評発売中!!べースデュオシリーズ好評発売中、
第一弾、納浩一「Little Song Book」
第二弾、
中島教秀「Duologue」

シリーズ第三弾(完結編)
船戸博史、細川正彦デュオ「Harvest Moon」絶賛発売中〜 ( ^ ^ )/ 。→
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お知らせ アマゾンの表示に間違いがあり、「Harvest Moon」が購入できないかの様になっていましたが、こちらのURLから購入して頂けます。キャットフィッシュレコードさんhttp://www.catfish-records.jp/product/17672をはじめ、その他のweb ショップでは、いままでどおり、ご購入いただけます。


 CMSレコードのアルバムが全て、web site のネットショップへのリンクからご購入頂ける様になりました。お好みのアルバムを是非ポチッと、、。You Tube による試聴リンクも NEWS のページにあります。  
 もしくは下のリンクからも試聴できます↓。
                               
■アルバム試聴 1 アルバム試聴 2 ■アルバム試聴 3

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posted by えんこみ at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | エンジニアの独り言
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