2018年09月23日

瓢箪から独楽(グールドの録音について)

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 昨日はかなり久しぶりに、超個性派のクラシックピアニスト、Glenn Gould の音源の話を書きましたが、あれから、いろんなことがわかりました。フェイスブック上のやり取りをご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんが、ある意味このブログにぴったりのマニアックな話題てんこ盛りの話が出てきました。

 というのは、、、まずブログ掲載後に、ある、業界関係者 F さんからメールがきました。そのメールの内容は、昨日取り上げたGlenn Gould の音源の、ピアノのピッチが低い、、のでは、というもの、、。
 通常現代では、A = 440 Hz~443 Hzくらいの基準で、調律をするのですが、その後、その方が正確に調べてた結果、あの音源では、438Hz という、異例に低いピッチである、、ということがわかりました。
 
 なんで、わざわざそんなピッチで、、?、という疑問と驚きもありましたが、その一方で、昨日のブログのタイトルに書いた、「不思議な音源」という言葉通り、「なんだか不思議な感じがするピアノの音だな」という意識はあったのですが、昨日は、あれを真剣に聞いていたわけではなく、BGMで流していただけなので、その「不思議さ」がどういう理由なのか、、というところまでは、考えていませんでした。
 
 この話を続ける前に、昨日の音源について、その後ネット上で、調べましたので、どういう音源なのか、、ということを、詳しく書きます。

 つまり、1955年にGlenn Gould 氏が、デビューアルバムで演奏したゴールドベルク変奏曲の音源を、特殊な精密なコンピューターソフトで、演奏の音の長さや強さ、ペダル操作、などを、精密にMIDI(Music Instrumets Digital Interface)データ化したものを、自動演奏装置つきのピアノで演奏し、それを、録音したものだったのです。つまり、自動演奏されたピアノに、マイクを立てて、録音したもの、、ということで、Glenn Gould 氏の演奏を現代に再現した特別な録音だったというわけです。

 それで、話を戻しますと、その現代(2006年録音)に再現されたピアノ演奏に使われた、ピッチ、、つまり音程が現代の標準的なものより、やや低い、、というのはどうしてなのか、、。 私がそこで思いついたのは、実はオリジナルの演奏、つまり1955年の録音がわざとピッチを低く調律したピアノをつかっていて、それを、2006年の自動演奏バージョンでも、再現しているのではないかというもの、、。

 どうしてそう思ったのかというと、「Fさん」が、メールに書いていた、「A=438Hz 」というのは、実は、バロック時代のピッチといいわれている音程とほぼ同じだったからです。その後、「Fさん」が、その1955年の録音をチェクしたところ、やはり、そのピッチは、「A=438Hz 」であった、、ということがわかりました。

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 つまり、グールド氏は、ピアノで、バッハを録音するにあたって、バッハの時代にはなかった(当時はまだ発明されていなかった)、ピアノという楽器を演奏する場合でも、当時のチェンバロの調律に使っていた調律のピッチをあえて使い録音していたので、その演奏を再現する時も、現代のピアノを、それと同じピッチで調律して録音した、、ということなんだと思います。

 演奏のアーティキュレーションを忠実に再現するだけでなく、調律にまで、そのプロジェクトに関わったスタッフたちが厳密に再現して録音したということがわかりました。
 これは、なかなかのマニアックぶりですね、、。

 その後、Glenn Gould 氏が晩年(1981年)に録音した同じ曲を聞いてみましたが、これも、私には、他の録音と同じピッチに聞こえました。 ということは、 Gould 氏は、数多あるバッハの録音でもしかしたら、全て、バロック時代のピッチを使用していた、、という事も考えられるな、、と思いました。

 それにしても、なかなかマニアックな録音の仕方なのですが、注意深く聞いてみると、ピッチが低いせなのか、ピアノから、少し変わった倍音が出ている、気がします。ピアノが現代の形になってからは、通常A=440、あるいは、それ以上のピッチで調律するように設計されていますので、異例に低い438hzというピッチでは、ピアノ本来の音にも影響を与えているような気がします。

 このような、音響的な特徴も、Glenn Gould の音楽の特徴の一部分を、担っている、、と言えるのではないのかな、、と改めて、考えました。

 今日の話って、あんまりマニアックすぎて、よくわからないとか、全然面白くない、、、という方もいるかもしれませんが、ブログの話題にはいつも、飢えていますので、「これ幸い」と、長々と、書いてしまいました、、(笑)。

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沖縄 那覇の「天妃」で、沖縄を代表するミューシャンと、CMS主宰 ピアニスト細川正彦が共演します。

Trio N H K at 天妃
2018年9月24日月曜 祝日 2 0 : 0 0 〜
メンバー 西川勲 bass 細川正彦 piano セバスティアン カプテイン ds

N ishkawa H osokawa K aptain

〒900−0015 那覇市
久茂地2-6-2 久茂地ガーデンビル2F
098-867-8418



CMS レコード主宰 ジャズピアニスト細川正彦の演奏が、熊本と福岡でありました。

9月3日月曜日 8時〜 場所 スイング (終了しました)


細川正彦カルテット
細川正彦(p) 城間巧介 (g)
荒木卓也(b) 木村良来(ds)

スイング http://swing-live.jp/sche/sche37.cgi?cm=1&year=2018&mon=9

〒860-0806 熊本県熊本市中央区花畑町10−10 Tel 096 356 2052


9月4日火曜日 8時〜 場所 Jazz inn おくら   (終了しました)


清水賢二(ts) 細川正彦(p)Duo

New Combo http://newcombo.sakura.ne.jp/
〒810-0004 福岡県福岡市中央区渡辺通5丁目1−22 092-712-7809






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 アーティストの活動を紹介する テレビ番組「美の鼓動」( 九州産業大学提供 テレビ西日本制作 ) にCMSレコード主宰 ピアニスト細川正彦が出演しました。放送は九州のみで、2016年3月20日(日曜)午前11時45〜で終了していますが、オンエア後は、このYouTube の→「美の鼓動」 か、放送局(フジテレビ系 TNC テレビ西日本)のホームページ(http://www.tnc.co.jp/kodou/ )で見る事ができます。

  CMSレコード最新作、伊澤隆嗣 as,ss Quartet 「In a Spring Time」の試聴用 PVができました!。好評発売中!!べースデュオシリーズ好評発売中、
第一弾、納浩一「Little Song Book」
第二弾、
中島教秀「Duologue」

シリーズ第三弾(完結編)
船戸博史、細川正彦デュオ「Harvest Moon」絶賛発売中〜 ( ^ ^ )/ 。→
 試聴用ムービーはコチラ@

お知らせ アマゾンの表示に間違いがあり、「Harvest Moon」が購入できないかの様になっていましたが、こちらのURLから購入して頂けます。キャットフィッシュレコードさんhttp://www.catfish-records.jp/product/17672をはじめ、その他のweb ショップでは、いままでどおり、ご購入いただけます。


 CMSレコードのアルバムが全て、web site のネットショップへのリンクからご購入頂ける様になりました。お好みのアルバムを是非ポチッと、、。You Tube による試聴リンクも NEWS のページにあります。  
 もしくは下のリンクからも試聴できます↓。
                               
■アルバム試聴 1 アルバム試聴 2 ■アルバム試聴 3

CMS Records web site  http://cms-records.bi
posted by えんこみ at 19:31| Comment(0) | TrackBack(0) | Glenn Gould
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