2017年10月09日

最近のクラシックレコードについて−2

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 今日は、10月の9日ですから、今年も残す所、あと3ヶ月未満ということで、もう、年末や、来年の話も、ちらほら。こちらは暑いので、秋らしさとか、年末が少しづつ近ずいているという、実感がわきませんが、こうしている間にも、刻一刻と、年末に近づいています。

 昨日書いた、昨今のクラシックレコードの音質の話ですが、これは、主に大編成、、つまり、オーケストラを使った収録において顕著な話で、小編成の作品に関しては、それほど質が落ちている、、ということはなく、むしろ、新しいテクノロジーを使って、質が向上しているものも、ないわけではないようです。

 私が昨今の、すべての作品をチェックできているわけでは、もちろんありませんが、景気の後退と、それ以上の、世界的なCDの売り上げ不振が、確実に、レコード会社の制作費を減少傾向に導いており、作品の全体的な内容と、音の質は、残念ながら、上昇傾向にはない、というのは、否定できないというのが、私の認識ではあります。

 ここで言えることは、交響曲や、協奏曲など、オーケストラを使って、ホールで録音するような制作物は、演奏者の人件費や、指揮者のギャラ、大規模な録音機材の設置とオペレーションをしなければならない関係上、どうしても、大手の会社の独壇場とはいいませんが、小さな事業者では、なかなか手を出しにくい、分野であり、大手のレコード会社は、それぞれ、長年にわたって、構築してきた独特の、収録とミキシングのノウハウを持っていました。

 そのノウハウから出来上がっていたサウンドは、コンサートホールの最良の席で聴くよりも、音楽がくっきりと聞こえる、一種の仮想現実で、そういった音質に慣れてしまうと、ほとんどのホールで、生で聞いた演奏が、かなり遠くに感じたり、鮮度が悪く感じるほどでした。 

 これは、ブルーノートや、ECMの録音が、ライブハウスで聴くジャズバンドの演奏よりも、仮想現実的な、リアリティーをもっていて、録音と、ミキシング技術で、生演奏とはまたちがったリアリティーを追求して、CDアルバムを、生演奏に比べて、より付加価値を持たせた、音楽作品として成立させるためのテクニックを使っているのと、同じような、再生芸術としての世界を追求した結果だと言って良いと思います。

 ある意味人工的な、仮想現実の世界に、慣れてしまっている私のような者は、ワンポイント(2本のマイクで、簡易的にステレオ収録した)収録した、オーケストラの録音には、やはり、物足りなさを感じてしまいますし、オーケストラだけならまだしも、ソリストのいる協奏曲の演奏では、やはり、ワンポイント収録では、バランスや、リアリティーに、不満が残ります。

 大手のレコード会社のオーケストラの収録方法は、ワンポイントなどの、そこまでシンプルな収録方法で、予算をガッツリ節約しているわけではないのですが、かつての録音のような緻密な仕上がりのものは、ほとんどなくなってきていると言って良いと思うのですが、それは、技術の問題というよりは、やはり、予算の問題で、以前のような大掛かりな、装置を使って録音をし、長時間のミキシング、、つまり、仕上げに時間をかける予算がない、、という事情からきているのだと思います。

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 私は、クラシックの録音の専門家ではないので、完全にクラシックの収録方法を把握しているわけではないのですが、出来上がった作品を聞けば、従来の、というか、ひと昔前の収録方法や、仕上げの方法(ミキシング)を採用していないことは、すぐにわかります。

 例え、マイクの数が少なくても、現代の最新技術である、DSD収録をすれば、また違った意味でのリアリティーを追求できることを否定できませんが、あの技術はまだまだ使う側の経験値が低いので、演奏と、曲、そして、録音会場をかなり選ばなければ、従来の方法を使った、よくできた録音を凌駕することは難しいと思います。

 小編成の場合は、かなり優秀な録音もDSD収録のなかにも存在しますが、これもまた、従来の方法で追求していたリアリティーとはまたちがった次元の音質で仕上がりますので、いろいろ難しいものがあります。

 そもそも、DSDも含む、ハイbit、高サンプリング周波数の収録、、いわゆるハイレゾの音質が良いとか、音楽的であるか?、、ということに関しては、従来の方法にくらべ、絶対に音質が優良である、、、そういう作品ができるか否かと訊かれれば、まだまだ、新技術で、実験の域を出ていないところも多いと、私は思います。

 言い換えれば、それほどに、過去の録音技術の膨大なノウハウが、様々なかたちで、優秀な音楽作品の制作に貢献して来たわけで、人材や、予算を削って、それと同じものや、それ以上のものができる、、、というはずがあるわけもない、、と思うのが、普通だと思います。

 そういうわけで、オーケストラの収録に関しては、大雑把に言って、70〜80年代に完成したノウハウを、予算の関係で規模の縮小をした現場で録音した音源は、以前のような、芳醇な音で、楽しめるような仕上がりで聴くことは難しくなっていると、言わざろう得ません。

 現代の録音機は、デジタル化して、アナログや、デジタル初期に比べ、信じられないほどに、かなりコストダウンできていますが、それでも足りないほど、作品制作のバジェットは極端に下がっていると言えるのだと思います。悲しいことですが、これが現実で、この状況は、今のままでは、未来永劫、続いてゆくしかなさそうです。

 いくら「エンジニアの独り言」でも、マニアックなこと書きすぎましたかね、、、(笑)。


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CMSレコード主宰、ピアニスト細川正彦の演奏が、岐阜県
であります。

10.14.sat
第20回妙法寺チャリティーJazzコンサート
「九州北部豪雨災害復興支援チャリティー」
妙法寺  お問合せ:0573-43-2275
恵那市岩村町911-2
小濱安浩(ts)・池田篤(as)・細川正彦(p)・島田剛(b)・倉田大輔(dr)
+The Sax Jazz Orchestra feat.大窪玄栄

10.15.sun
熊本県多良木音楽祭

石倉ステージ 14:20 〜 伊澤隆嗣 (as ss) 細川正彦(p)

お問合せ:たらぎ音楽祭実行委員会 0966-42-1257 https://www.facebook.com/taragi.musicfes/




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 アーティストの活動を紹介する テレビ番組「美の鼓動」( 九州産業大学提供 テレビ西日本制作 ) にCMSレコード主宰 ピアニスト細川正彦が出演しました。放送は九州のみで、2016年3月20日(日曜)午前11時45〜で終了していますが、オンエア後は、このYouTube の→「美の鼓動」 か、放送局(フジテレビ系 TNC テレビ西日本)のホームページ(http://www.tnc.co.jp/kodou/ )で見る事ができます。

  CMSレコード最新作、伊澤隆嗣 as,ss Quartet 「In a Spring Time」の試聴用 PVができました!。好評発売中!!べースデュオシリーズ好評発売中、
第一弾、納浩一「Little Song Book」
第二弾、
中島教秀「Duologue」

シリーズ第三弾(完結編)
船戸博史、細川正彦デュオ「Harvest Moon」絶賛発売中〜 ( ^ ^ )/ 。→
 試聴用ムービーはコチラ@

お知らせ アマゾンの表示に間違いがあり、「Harvest Moon」が購入できないかの様になっていましたが、こちらのURLから購入して頂けます。キャットフィッシュレコードさんhttp://www.catfish-records.jp/product/17672をはじめ、その他のweb ショップでは、いままでどおり、ご購入いただけます。


 CMSレコードのアルバムが全て、web site のネットショップへのリンクからご購入頂ける様になりました。お好みのアルバムを是非ポチッと、、。You Tube による試聴リンクも NEWS のページにあります。  
 もしくは下のリンクからも試聴できます↓。
                               
■アルバム試聴 1 アルバム試聴 2 ■アルバム試聴 3

CMS Records web site  http://cms-records.biz
posted by えんこみ at 19:10| Comment(0) | TrackBack(0) | エンジニアの独り言
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