2015年12月02日

 ピアノと調律師、そしてピアノの演奏者について その1

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 みなさんこんにちは、CMSレコードを主宰しております、プロデューサーでピアノ演奏者の細川正彦です。

 前々から思うところがありまして、ピアノと調律などのことについて、書きたい、と思っておりましたので、このCMSレコードホームページ内にあるブログ「そぼろ」に月に何度か、連載という形で、投稿することに致しました。音楽の表現に使うピアノについて、より良い状態で演奏し、音楽を聴く方達に演奏者のメッセージをより良く伝えるためにはピアノをどのように扱ったらよいのか、ピアノという楽器と、どのようにつきあって行けば良いかについて、文章を書いてみたいと思います。

 『ピアノとピアニスト』 

 ピアノという楽器をご存知無い、という方はほぼ間違いなくこのブログを読んでいらっしゃる方には、いらっしゃらないと思いますが、演奏の現場、特にジャズのライヴハウスなどに置いてあるピアノや、そのメインテナンスについて、そして、ピアノを弾く方、ピアノがおいてるライヴハウスの方達に、もう少しピアノについて詳しくなって頂きたい、と思い、この文章を書くことにしました。
 ここで、ピアノを弾かない方達は、「ピアノを弾く人が、ピアノに一番詳しいんじゃないの?、、」と疑問に思う人が多いと思うのですが、他の楽器を演奏する人に比べ、ピアニストは意外とピアノの演奏技術以外のことには、無頓着なひとが多いんです。

 他の楽器、特にギターとか、管楽器などの場合、超初心者以外の演奏者は普段のメインテナンスは、ほとんどの場合自分ですることが多いと思うのですが、ピアニストの場合、ほとんどが調律師まかせです。その上、他の楽器の演奏者とちがって、仕事で演奏する楽器は、ほぼ100%自分の楽器ではない、という環境にあります。
 かなり有名なピアニストでも、自分のピアノを持ち歩いている、、という人はほとんどいません。お金がかかって、出来る訳もありませんが、、。

 ギターの場合自分で弦を替えたり、場合によっては自分でピックアップを交換したり(リペアーマンに頼むこともありますが)、様々なアンプを試してみたり、サックスの場合、リードをはじめマウスピース、リガチャー(リードをおさえる金具)などを交換して、いろいろな音の響きを試すなど、楽器から出る音を、どうにかして良くしたい、もしくはなんとかしたい、、という欲求というか探究心があり、それが、楽しみであると同時に悩みでもある、、わけです。 ピアノ以外の楽器を演奏する人は積極的に楽器の状態に興味をもち、自分で楽器を扱うことがあるのに対して、ピアノの演奏者はほとんど何もしない(できない)ことが多いということが言えると思います。


 ピアノの演奏者の場合、行く先々で、あまり馴染みの無い楽器を使って自分の音楽を表現しなければならない、というか、悪い言い方をすれば、知らない楽器をあてがわれる、、ということになるのですね。 他の楽器の人に、「今度からライブハウスは自分の楽器は持ち込み禁止になったので、お店にある楽器で演奏して下さい、、」なんてことを言ったら、卒倒してしまうかもしれませんが、それがピアニストの毎日なのです。

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 「自分の楽器を運ばないでも仕事になるのだから、そんな楽なことはないじゃないですか、、」ということを言うひともいますが、確かにそうとも言えますが、、。
 この文章では普段あまり知られていないこと、言いたくても誰も言わないことを書きたくて書いているので、書きますが、正直言って、ほとんどのピアニストがわざと無関心で居る、、あるいは無関心の振りをしている、、ということが多いです。

 お店に出入りしている以上は、なんというか、出入りの業者なわけで、お店においてある楽器を、やれ、「弾きにくい」、とか、「傷んでいる」とか、そういうことは、なかなか言えない、、、というか、言ってはイケナイと思っているわけなんですね。もちろん礼儀として、それはある程度「あり」なわけですが、お店の人はほとんどの場合ピアノは弾きませんし、演奏する人と調律師だけが、ピアノの状態をある程度把握しているというわけなのですが、その演奏者がピアノに物申さなければ、そのピアノはほぼ、ほったらかしの状態になってしまいます。

 あともう一つ言えることは、ピアニストは、いちいち細かいピアノの状態を気にしていては、仕事にならない、、ということもあります。
 無意識のうちに、どんなピアノでも気にしないで演奏するクセがついている、、というか、無意識のうちに鈍感になっている、もしくは「わざと」、そうしている、というところもあります。 「今日はどこで演奏だっけ?、、、ああ、あそこか、、あそこの楽器は傷んでいて、弾きにくいんだよな、、」なんていうことを、朝から気にしていたら、精神衛生上、非常によろしく無いということで、考えない様にしている、、というところもあります。かく言う私は、そう言うことが気になり精神的にも良く無い状態になり、病院にこそいきませんでしたが、仕事でピアノを演奏することを一度はやめた、という経歴をもっています。

 極端な話を書けば、自分の家のピアノをもうかなり長い間調律していない、、という演奏者もいますし、住宅事情の関係で、グランドピアノはおろか、アップライトもなく、電気ピアノしか部屋に置いていないという職業ピアニストは、都会住まいの演奏者では珍しくない、というのが残念ながら現実です。
 ピアノを演奏する様な仕事は、都会に行かなければなかなかありませんが、都会に行けば行く程、住宅事情は厳しくなり、普通の家賃では、とても生のピアノを置ける環境はつくれない、というのが現実です。
 
 ライヴハウスに来たときだけ、グランドピアノに触れる、という演奏者はすくなくありません。
 
 あるライヴハウスで、グランドピアノを入れ替えた時に、演奏者にそれを伝えずに、本番前の試し弾きをしているときに「ピアノはどうですか?」と尋ねたところ、「ハイ、いつも通り弾き易いです、ありがとうございます、」と答えたので、「楽器が変わったのですが、気付きませんか?」と伝えたら、「あ〜そうなんですか、全然気付きませんでした」という会話があったという話をきいたのですが、その替えたピアノは、まえと全然違う大きさのグランドピアノだったのですが、この話は意外とピアニストがピアノに無頓着だ、ということの典型的な話の例だと思います。

 サイズの違うピアノでも、見かけ、特に鍵盤とそのまわりのサイズは、ほぼ同じなので、気がつかないということは、全く考えられないというわけではありませんが、そもそも楽器が替わっているので、音がいつもと全く違うはずなのですが、上に書いた様に、「無意識のうちに、どんなピアノでも気にしないで演奏するクセがついている」というところは、職業ピアニストの「悲しい性」というところがあるのかもしれません。

ピアノと調律師、そしてピアノの演奏者について その2につづく。

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